様々な課題を抱えるアダルトチルドレン。
その中のスケープゴートタイプについて解説したいと思います。
スケープゴートは行動化して悪い子になり、犯罪などに巻き込まれやすいなどの問題があります。
しかし、悪い子になることで家族のバランスを保っている面もあります。
- アダルトチルドレン:スケープゴートの特徴や原因
- アダルトチルドレン:スケープゴートが抱える人生の問題(人間関係・仕事・恋愛)
- アダルトチルドレン:スケープゴートの克服に必要な方法
この記事を読めばアダルトチルドレンのスケープゴートのことが理解でき、スケープゴートの克服方法を知ることが出来ます。
目次
アダルトチルドレン:スケープゴートとは?
アダルトチルドレン(AC)のスケープゴート(生贄)とは、機能不全家族のメンバーから、例え何の落ち度がなくても罪を着させられたり、責められたり、悪者にされたりするような存在です。
他の家族の感情を吐き捨てる「感情のゴミ箱」のような役割をします。
スケープゴートの言葉の意味は「贖罪のヤギ」で、アダルトチルドレンの中では「身代わり」「生贄」の意味を持っています。
スケープゴートはアメリカのセラピスト、ウェイン・クリッツバーグがアダルトチルドレンのタイプを6つに分けたうちの1つの分類です。
このブログでは8タイプご紹介しています。
- プラケーター「慰め役」
- イネイブラー「世話役」「支え役」
- ケアテイカー(リトルナース)「世話役」「小さい看護師」
- スケープゴート「生贄」「身代わり」「犠牲」
- ヒーロー「英雄」
- ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)「いない子」「迷子」
- ピエロ(クラウン、マスコット)「道化師」
- プリンス(プリンセス)「人形」「優等生」「王子様・お姫様」
これらの分類や役割は要素であるため、入り混じることは多々あります。
かにまろ
贖罪の意味は「犠牲や代償をささげて罪をあがなうこと」です。犠牲は子ども、罪をあがなっているのは親という理解です。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンタイプ診断
アダルトチルドレン:スケープゴートの特徴とは?
スケープゴートの特徴は、子どもが厄介者や問題児の役割を引き受けることで、機能不全家族の真の崩壊を防いでいるということです。
機能不全家族のメンバーからは「お前さえいなければこの家族は大丈夫なのに」と思われます。
ただ真実は、そのように思わせることで、他の機能不全の部分をごまかしているにすぎず、スケープゴートがいなくなったら真の崩壊を招く恐れがあります。
スケープゴートの要素は大きく分けて、「いじめられる」「非行型になる」「身体的な弱者になる」「自傷行為をする」の4つがあります。
罪もないのに悪者にされ「いじめられるかわいそうな子」
スケープゴートは、機能不全家族メンバーから、正当な理由なく怒りや八つ当たり、否定や批判をされたり、誤解のままに罪を着させられたりします。
そのため、スケープゴートは反射的に嘘をついたり、言い訳をしたり、他責になったりもします。
ヒーローは親からの過度の期待が問題ですが、スケープゴートは親からの期待がありません。
親から見ると「想像通りの厄介者」になります。
問題児やトラブルメーカーになる「非行型」
スケープゴートは否定され続けたことで満たされずに、問題児やトラブルメーカー、いじめっ子のような「非行型」になります。
非行型は犯罪に巻き込まれたりする可能性も高いです。
ただ、非行型の裏のメリットは、大きな問題を起こすことで家族や世間が自分に目を向けます。
その結果として、機能不全家族の親の闇の面を隠す役割をしているのです。
ヒーローは親の期待に応えてますますヒーローになりますが、ある意味ではスケープゴートも親の「負の期待」に応えてますますスケープゴートになっているのと言えます。
自分を罰する?「自傷行為」
スケープゴートは自傷行為(リストカット、過食、拒食)があることがあります。
理由として、生きることの確認であったり、耐え忍ぶためであったり、自分を罰する意味であったり、ストレスから逃げるためであったり、意図は様々なので判断には慎重さが必要です。
他にも無意識に髪を抜いていたり、怒られているときに自分をつねったり、叩いたりすることもあります。
疾病利得を得て治療を拒む「身体的に弱者になる子」
病気になって得をすることを疾病利得と言います。
病気になった時にだけ、家族が優しくしてくれたり、両親の仲が良くなったりすると子どもの無意識がメリットと感じてしまいます。
このような場合、スケープゴートはこの疾病利得を維持しようとする傾向があります。
結果として、共依存の関係を生み出しもします。
わざとやっているの?と思われがちですが、本当に具合が悪いのです。
学校に行く前に毎回おなかが痛くなるのと同じような働きです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン(AC)の共依存の親子関係とは?
他者を信用・信頼できない
一方的にいじめられたり理不尽な扱いを経験しているため、人を心から信じることが出来ません。
本人は本当は信じたくても、家庭内で無意識に人間関係を学習しているので出来ないという方があっています。
心の底に人はどうせ裏切るとか、期待してもしょうがないという信念があるので、他者は傷つけるものという認識があり、警戒心が非常に高いのです。
ですから、本音をさらけ出すということも出来ないのです。
そうして、世の中や他人を斜めに見ている人が多いのもスケープゴートの特徴です。
存在価値がわからない、自己否定感が強い
スケープゴートは理由なくいじめられたため、自分は「居てはいけない存在」と感じる傾向が強いです。
実際に親から「産むんじゃなかった」と言われたりしているケースも多いです。
自己否定感が強く、自分の存在価値がわからないため非常に生きづらさを感じます。
アダルトチルドレンの生きづらさについての詳細はこちらです。→アダルトチルドレンの生きづらさ
自暴自棄になる
スケープゴートは自分自身がアルコール依存症や薬物依存症、犯罪や年少妊娠などに巻き込まれやすいと言われます。
親の責任でこうなっているわけですが、自暴自棄にはなって欲しくないですね。
見捨てられ不安が強い
スケープゴートは人を信じることが出来ずに、いつか嫌われて捨てられる、見捨てられるという不安に縛られています。
この感覚を見捨てられ不安と言い、見捨てられ不安の度合いが高いと、捨てられないためならなりふり構わず行動します。
無意識的に病気になってしまうこと、言いなりになること、死を引き合いにするようなことがあげられます。
また、見捨てられ不安の恐怖が怒りや執着になり、相手の行動を常に見張ったり、愛情を確認するような行為をします。
恋人や友人が少し素っ気ないふりをしたり、連絡が取れなかったりするだけで、妄想が膨らみ、居ても立ってもいられない絶望感が起きます。
見捨てられ不安の詳細はこちらです。→見捨てられ不安でしんどい原因は?
大人になっても試し行動をする
試し行動とは、他者に対して自分をどこまで受け止めてくれるかを探る行為のことです。
子どもが幼少期にすることが多く、わざと大人を困らせるような行動をとり、周囲の反応をうかがう行為のことです。
虐待を受けて傷ついた子どもは、養育者を信用できないため試し行動をすることが多く、自分をどこまで受け入れてくれるかを確認しようとします。
実は大人になってからも、試し行動をパートナーにするようなことが起きます。
他者の愛を信じられないために、わざと困らせ愛情をはかろうとするのです。
この行為は非常に疎まれる可能性が大きいので、気が付いたら直すようにしましょう。
居場所を持たない根無し草
スケープゴートは家庭でも学校でも「いわれのないいじめ」を受け、疎外されてきたために、どこにも所属できていないとう感覚があります。
家庭は安全基地として機能して、初めて子どもの健全な成長を育めます。
人はどこかに所属することを常に求め、安心感にするのですが、スケープゴートはどこにいても疎外されている感覚をもっています。
被害者意識をずっと引きずる
スケープゴートを含め、アダルトチルドレンは皆被害者なのですが、そのおかげで被害を受けていない場面においてもこの気持ちが起きやすいです。
自分は被害を受けている、これから受けるに違いないと思うことが多くあります。
このまま大人になると毒親として被害者ぶるようになり、世代間連鎖を起こしやすくなります。
被害者ぶる毒親の詳細はこちらです。→毒親が被害者ぶる理由とは?
反抗心を持ちやすい
スケープゴートは不信感が強く、反抗心を持ちやすいです。
手を差し伸べてくれた人を信じられずに、嫌悪感を持ってしまったり、いつかどうせ裏切られると感じて、何もないのに怒ることがあります。
権威に対しても一見従っていますが、急に離れていくような癖があります。
アダルトチルドレン:スケープゴートの原因とは?
アダルトチルドレンのスケープゴートの原因は、一番に生贄を使わなければ維持できない機能不全家族であり、その虐待行為です。
スケープゴートの親もまた、アダルトチルドレンの可能性は大きいのですが、そのすべてのマイナスを子ども一人に押し付けて吐き出すことはあってはいけません。
スケープゴートは実際に、ネグレクト(育児放棄)にあったり、精神的虐待・身体的虐待・性的虐待の被害者になっていることがほとんどです。
機能不全家族内では、愛情のこもった安心感の実感を得られません。
それがわかりやすく出るタイプがスケープゴートでもあります。
こちらもお読みください。→子どもに無関心な毒親の特徴とは?
親がアダルトチルドレンなのが原因
スケープゴートの親はわかりやすくアダルトチルドレンです。
嗜癖問題(アルコール依存症など)があったり、情緒的な不安定さがあることで、子どもをはけ口にしてしまうことがあげられます。
虐待を受け入れてしまえば一旦おさまることが原因
家庭でも学校や職場でも誹謗中傷を受け常に悪者にされてしまう、という出来事がスケープゴートに起きやすい背景はなんでしょう。
それは、受け入れてしまえば、一旦相手が満足してそれ以上の被害が防げたという負のメリットの面です。
とりあえず相手が気のすむようにして、被害が広がるのを防ぐ方法なのです。
非行型になれば機能不全家族の崩壊が防げることが原因
家族には平穏にいて欲しいという願いの中で、あえて問題児になってトラブルを起こすスケープゴートもいます。
敵の敵は味方のように、自分自身があえて汚れ役をして嫌われることで、他の家族が一致団結するように仕向けていると考えられます。
身体的に弱者になれば仮初の愛情が得られることが原因
疾病利得で両親が優しくしてくれたり、愛されている実感を感じられると、病気を治療せずに長引かせるように働きます。
また、非行型と同じようにスケープゴートの病気によって、家族が一致団結することも身体的弱者を作る原因になります。
アダルトチルドレンの原因の詳細はこちらです。→アダルトチルドレンの原因
アダルトチルドレン:スケープゴートの人間関係とは?
スケープゴートは成人しても、家庭内暴力やDVなど周囲の犠牲者になりやすい傾向があり、精神的にも肉体的にも暴力を受けやすいです。
親のような人に注意
親からの虐待や暴言を受けてきたスケープゴートは、なぜか社会に出ても親と似たような人と出会いやすいです。
ですから、苦手な人やあなたを大切に扱わない人がいた場合に、きつく当たられて傷つけられないように注意が必要です。
トラウマを解消していくと、苦手な人と出会う機会が減りますよ。
人間不信に注意
スケープゴートは人を信じにくい状態になっています。
虐待経験から人間不信が強く、あらたな人間関係の構築も困難を感じやすいとされています。
そして、自分から暴力や問題を起こし、人を遠ざけてしまう可能性もあります。
かにまろ
無意識に刷り込まれているパターンが繰り返されます。
アダルトチルドレン:スケープゴートと仕事上の問題点とは?
スケープゴートの仕事上の問題点は、人間関係の構築と維持です。
人間不信があるので、必要以上に不信感を抱かず、信頼関係を結ぶことが仕事をするうえでの鍵となります。
また、素直になれずに反射的に反抗したり、人のせいにしたりすると、仕事上の人間関係も崩してしまう可能性があります。
人間関係の構築方法やコミュニケーションを学んでいくことが必要でしょう。
上司に反抗心を出さないように
スケープゴートは権威が嫌いなところがあります。
親の影響でそのようになっているのですが、仕事では自分より権威のある人は普通にいるでしょう。
むやみに反抗して不利な立場にならないように気を付けましょう。
美味しい話には注意
スケープゴートの周りには、あなたをカモにしようとする人がなぜか寄ってきます。
妙においしい話を持ち掛けられたりしたら、一歩立ち止まることが必要です。
犯罪や詐欺に騙されないように気を付けましょう。
アダルトチルドレンの仕事の詳細はこちらです。→アダルトチルドレンに向いている仕事
アダルトチルドレン:スケープゴートと恋愛とは?
スケープゴートの恋愛の問題点も、人間関係の構築と維持に関わるものです。
デートDVやモラハラからすぐ逃げること
スケープゴートは、今までの経験からなぜか親と同じように暴力や虐待をしてくるパートナーを選びがちです。
それらがあったら即、恋愛関係を解消するくらいの気持ちで自分を守りましょう。
また、見捨てられ不安を解消することで、相手に対して執着することなく健全な恋愛相手を見つけることが出来ます。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンの恋愛問題
共依存に注意
スケープゴートは懸命に支えるようなタイプと共依存の関係を作ることもあります。
スケープゴートが問題を抱え、それを慰められるような関係です。
相手としては、プラケーターやイネイブラーのようなタイプがやりがいをもって支えるでしょう。
かにまろ
どちらかが精神的に成長するとこのような関係は続かなくなります。
こちらもお読みください。→共依存とは?
アダルトチルドレン:スケープゴートと精神疾患との関係とは?
スケープゴートは機能不全家族が上手くいっていないのを隠すために、家族が抱える問題よりも大きな問題を起こす可能性があります。
依存症を起こす
スケープゴートはアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症などの依存症になりやすいと言われています。
発症した場合も、依存症状を治療することを嫌がり、深みにはまったり長引かせたりします。
自傷行為
スケープゴートは両親からいわれのない体罰を受けていたりします。
罰として常に与えられてきたため、罰が与えられない状況にいるとかえって不安になるケースもあります。
それらの不安を解消する一つとして、自傷行為がおこなわれる場合があります。
否定されたり、傷つけられることに慣れていると、それらを何故か手放せなくなってしまうのです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンの症状とは?
アダルトチルドレン:スケープゴートの克服方法とは?
スケープゴートの克服方法をNLP(神経言語プログラミング)の専門家の視点で見てみます。
NLPでは実際のあなたの過去の記憶に介入して過去を癒します。
過去を癒すことで、現在の思考の偏りや生きづらさ、行動や習慣を変えていきます。
ポイントを4つあげましたが、いずれもワークで可能です。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン克服方法
- 生きづらさを生み出している原因となる過去の出来事を癒す。
- 癒すことで幼少期の自分(インナーチャイルド)に安心感を与え、育てなおす。
- 他者との関わりで安心感を学びなおす。
- 日常的な安心感を取り戻していく。
インナーチャイルドを癒す
インナーチャイルドをNLPで癒して過去の嫌な経験を軽くしてしまいましょう。
スケープゴートに当てはめてみると、まずは機能不全家族の不和や喧嘩・暴力や虐待の場面を癒していきます。
そして、スケープゴートになった自分を危険から遠ざけ、安心感の中で暮らせるように守っていきます。
そして、両親や兄弟姉妹も含め、他者との関わりを学びなおし、安心感を育みます。
そして、日常的にマインドフルネス状態になり、平穏な状態を維持します。
アダルトチルドレンの講座やカウンセリング
アダルトチルドレンの講座やカウンセリングではNLP(神経言語プログラミング)という心理療法を使います。
NLPカウンセリングは話したくないことを話す必要はありません。
コンテントフリーのため辛い思いは少なく解決します。
NLPは経験を実際に解消していくため、思ったよりも早く平穏な状態が訪れますよ。
ACスケープゴートの生きづらさを変える方法
アダルトチルドレンの生きづらさを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
そして、人生好転の歯車が回りだすのです。
もし、アダルトチルドレンの生きづらさも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
以下の記事を合わせてお読みいただくとアダルトチルドレンへの理解が深まります。
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACヒーローの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACスケープゴートの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACプリンス(プリンセス)の場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACピエロ(クラウン、マスコット)の場合
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