アダルトチルドレン(AC)には「共依存」という大きな問題がよく見られます。
共依存は、夫婦関係で始まり、そこから親子関係にまで派生することがあります。
自分も相手も疲弊してしまう共依存。
その中の「親子関係の共依存」について詳しく解説しています。
- アダルトチルドレンと共依存の関係
- アダルトチルドレンの共依存の親子関係とは?
この記事を読むとアダルトチルドレン(AC)の親子関係の共依存のことがわかり、注意するべき問題点が理解できます。
アダルトチルドレン(AC)の親子関係の共依存を克服して、人生を幸せに導きましょう。
目次
アダルトチルドレンと共依存の関係
共依存(Co-dependency)という言葉は、アメリカにおいて、アルコール依存症者の妻が、自分自身を犠牲にしながらも、必要以上に過剰に相手の世話を焼く行動(イネイブリング)をしている姿から、その関係性を表す言葉として生まれた言葉です。
つまり、アダルトチルドレンの親の代表ともいえるアルコール依存症の両親の関係が共依存という言葉の発祥なのです。
共依存症の彼女たちの過剰な必死の世話焼き行動は、相手を支えるよりも、結果として相手のアルコール依存症の回復を妨げ、アルコール依存症そのものを支えていると言われる有様でした。
アダルトチルドレンを生む家族を機能不全家族と言いますが、アダルトチルドレンの人たちの中には、共依存傾向の親子関係や家族関係が多いことがわかっています。
アダルトチルドレンという言葉は、当時は親がアルコール依存症の子どもが大人になってからも人生で苦しんでいる姿を見て、その人たちを表す概念の言葉でした。
しかし、現在のアダルトチルドレンの概念は、実情に合わせてもう少し幅広くなっています。
親がアルコール依存症ではなくても、機能不全家族の問題があれば大人になってから苦しむことはあります。
しかも、日本人特有の性質の問題もあり、中には家庭的にも社会的にも、親の問題が見えにくい場合が多くあります。
この記事に関しては、問題が見えにくい共依存親子に焦点を当てて説明していきたいと思います。
簡単には認識しづらい、共依存の人間関係。
共依存親子の心理や原因を理解して、今後の人生に役立たせてください。
見えやすい典型的な共依存の詳細についてはこちらです。→共依存とは?
アダルトチルドレン(AC)の共依存の親子関係とは?

共依存の親子関係の特徴はずばり「親の過干渉に子どもが縛られ苦しみ続ける」ということです。
この記事を見ている人はどちらかというと、「親」で苦しんでいる「子ども」側の人だと思います。
記事は「子ども」側の視点で書きたいと思います。
共依存の苦しみに気が付いた人、気づいて良かったですね!
共依存の苦しみは、大抵他人にはわかりませんし、一番問題なのは社会的には隠れてしまいやすい部分だからです。
だから気にせずに、「私が苦しい」と思ったら「苦しい」で良いんですよ。
共依存を生む親は良い人に見える問題
大抵の共依存者の方は、親に対して嫌いよりも好きが勝っていますし、親が一見とても良い人なんです。
いや、「本当に良い人」なんです大体は、そして社会的にも。
子ども側は、共依存の親は誰から見ても優しいし、家族のことを考えているし、今まで育ててくれたし、かばってくれるし…この人を嫌がっている自分がいけないの?なんて思いますよね。
ちなみにアダルトチルドレンのイネイブラーのお母さんは共依存の代表です。
イネイブラーのお母さんの詳細はこちらです。→イネイブラーの母親の特徴
良い人に見えるから困る共依存者の過干渉問題

日本では、夫を支える妻や家庭を切り盛りする妻が「良妻賢母」と言われます。
でも、アダルトチルドレンに関して有名な斎藤学先生は、この日本人の良妻賢母こそが共依存者だと気が付いたそうです。
自分のことはさておき、自己を犠牲にして世話を焼き、陰でこっそり泣いている、そんなお母さんの姿を想像してください。
そして、このようなお母様が教育熱心で子どもに過干渉だったりします。
共依存の一番の原因は、子どものプライバシーがない、一人の人間として親が切り離して考えていない、いわゆる過干渉・過保護なのです。
ペットならいいですよ。過干渉にも愛情で答えてくれますし、喜びますからね。
しかし、人間の子どもは過干渉に耐えられません。
子どもは本当の意志や感情を表現できず、ひたすら隠し、親を傷つけまいと親に合わせ、ストーカーのようにすべてを報告しないと親は悲しむし、そのくせに愛情表現がまっすぐではないから生まれてこのかたずっと寂しい。
これが過干渉と過保護から受ける子ども側の気持ちの実態です。
親があなたにしていることは、親の満足であって、決してあなたの満足にはつながらないのです。
こちらでは毒親のお母さんの特徴の詳細を書いています。→毒親の母親の特徴
斎藤学著『魂の家族を求めて 私のセルフヘルプ・グループ論』(日本評論社 1995/6/10)
親が自己愛型である問題

自己愛というのは、自分を愛するという意味ですね。
実際には、自己愛は自分を大切にするという意味ですから、ほどほどに必要です。
ただ、心の問題で話題になるときには、この自己愛が行き過ぎている場合があります。
機能不全家族の親は、この自己愛型の親であることがあります。
自己愛型の親の問題は、子どもの欲求が満たされずに、親の欲求にすり替わる点です。
本来、子どもというのは、幼少期に子どもらしさを含めて、様々な欲求を満たすための経験が必要です。
そうすることで、満たされて、そして自己肯定感が生まれて、健全な大人に成長していきます。
自己肯定感とは、「ありのままの一人の人間」としての「存在、丸ごと」を他人(親)に受け止めてもらわないと感じられません。
そうすることで、存在価値を感じられ、自らの人生を力強く切り開けるようになるのです。
子どもが何かをしようとするたびに、もしも言わないにしても親が目や表情で訴えたら、子どもは顔色をうかがいながら自分の意志を捨て、忖度するようになります。
知らず知らずのうちに親は、コントロール(支配)というメッセージを無意識に出すのです。
子どもがおもちゃのAかBを選ぶときに、「好きな方を選んでいいよ」と言いながらも、ため息をついたり、微笑んだり。
そんなことしたら子どもが自ら自由意思で選べません。
もしも、親の顔色をうかがってした選択に対して褒められても、子どもの自己肯定感はあがりません。
親に促された選択をして、その結果褒められているので、実は心理的には何も積みあがらないのです。
無条件の愛が必要なのに、常に条件を付けられている結果として、実は否定を感じ、生きづらさを抱えてしまいます。
そのような方はカウンセリングでも「親にすごく褒められてるのに、周りにはわがままって言われて、わたしダメな人間ですよね。もっと褒められたいなんて、子どもみたいですよね。」と言います。
からくりが見えますよね。
共存は見えにくいんです。
暴力もあからさまな否定もありませんし、むしろ教育熱心でいつも子どものことを考えています。
「あなたの自由にしていいのよ。」と言いながら顔がこわばっていたりします。
自由に出来るわけがありません。無意識にコントロールするのですから。
共依存の親は子どもの身になってるのではなくて、満たしたいのは親の欲求なのです。
過干渉や過保護の親・自己愛型の親は、子どものためにと言いながら子ども自身の欲求の先回りをしたり、言いなりにしたり、期待をしながら理想に育てようとしたり、失敗から遠ざけようとします。
これらは、いずれも子ども自身の思考力や行動力・感情の表現を奪います。
親が親切に子どもの未来を考えてこのようにレールを引いているのですが、だからこそ子どもは縛られ窮屈になっていくのです。
機能不全家族の詳細についてはこちらです。→機能不全家族とは?
共依存の親は自分の過干渉に気が付くか問題

結論、気が付かない。
親は自分が良いことしていると思っているので、「気が付かないんです」よ…。ほんとに…。
親がカウンセリングに来てくれたら早いんですけれど、大抵そうはいきません。
正しいことを常にしている(と思っている…)親は、自分のせいで子ども側が死ぬほど苦しんでいるなんてわかりません。
ほんとにわかりません。
天地がひっくり返ってもわかりません。
だから、あきらめて子ども側がどうするか?を考えないといけないのです。
共依存の子どもはそれでも親をかばうか問題
結論。かばうんです…。
共依存の子ども側は自分のことを責めるように仕向けられています。
カウンセリングに来ても、「親は本当に良い人だとは思うんです。」と言いますし、「私が変われば良いんです。」とも言います。
そして、心底親に愛されたいと思っています。
ここで、不思議なことに気が付いて欲しいのですが、そんなにストーカーのように一緒にいる親から愛情を受け取れていないってどういうこと?!ってことなんですね。
過干渉と過保護は、無意識レベルでは子どもが「私のためではない」って知ってるんですよ。
だからこそ、あんなに心をすり減らしながら一緒にいるのに、愛されたい欲求の「見捨てられ不安」が生まれるのです。
見捨てないで!!って心が叫んでいるんですよ。
見捨てられ不安の詳細はこちらです。→見捨てられ不安でしんどい原因
共依存の親子・共依存家族の例

ここで共依存親子・共依存家族の例を出します。
共依存者は「日本の良妻賢母」と言いましたが、わかりやすく奥さんが「共依存者」でご主人が「アルコール依存症」の例です。
例えば、夫がアルコール依存症の場合、妻は夫の世話にかかりっきりになります。
すると、子どもはその間、ネグレクト(育児放棄)にあったり、情緒的に見放されてしまいます。
このことが子どものアダルトチルドレン化を進めます。
お母さんと同じように支える側や慰める側になったり、どのようなタイプになるかはわかりませんが、ここは新たな共依存者と仮定します。
そして例えば、妻が夫の世話にあまりにも疲弊したり、一時的に夫の状態が良くなったりするとします。
すると不思議なことに、子どもの具合が悪くなったり、子どもが問題を起こしたりします。
すると、また妻の出番が回ってきて、妻は大忙しです。
すると、今度はそれに寂しくなった夫が問題を再発させます。
そして、子どもは良くなるのですが…という共依存ループが繰り返されます。
このような感じで始まり、親子間で世代間連鎖が生まれ、共依存者は共依存者と結婚し、子どもが共依存者になる…というループが生まれてしまうのです。
共依存の起きやすい母と娘の関係

母親と娘の場合、母親が娘にべったりなことが多いですね。
おそらく母親からしたら、娘と同一化したままで、境界がはっきりしていないのでしょう。
ただ、そういう母親に限って「子離れしている」とか思っているので大変です。
何をするのも一緒だし、彼氏ができようものなら嫌な顔するし、心配と言いながらすべてを知ろうと支配します。
子どものプライベートという観点が無茶苦茶ありません。
共依存の母娘のタイプとしては、イネイブラー(ケアテイカー・リトルナース)やプラケーターの要素を持つ方が多いかと思います。
ただ、過干渉は苦しいので、スケープゴートの要素がある人もいます。
アダルトチルドレンの世話役イネーブラー(ケアテイカー・リトルナース)の詳細はこちらです。→イネイブラー(ケアテイカー・リトルナース)
共依存の起きやすい母と息子の関係
共依存的な母と息子の関係の場合は、息子が夫や彼氏化させられることがあります。
母が息子を理想化して期待することで、子どもがそれにこたえようとして、自分の意思や感情がなくなります。
この場合も、わかりやすい暴力などではないので、「良い母」というイメージがあるわけです。
カウンセリングに来るような方は「自分を責めて」母に対して顔向けができるとかできないとか、そういうところで引っかかっているのです。
亡くなったお母様のことをずっと思って、いまだに判断基準であるお母様がいなくてつらいとおっしゃる方もいます。
簡単に言うと母親の影響が大きすぎて、大人になっても自立できていないんですね。
無意識に「判断基準がない・支えがない」と感じているために、不安がずっとあるのです。
共依存の母と息子のアダルトチルドレンのタイプでは、プリンス(プリンセス)の方が多いと思います。
アダルトチルドレンの「言いなり人形」プリンス(プリンセス)の詳細はこちらです。→プリンス(プリンセス)
アダルトチルドレン(AC)の共依存の親子関係を克服するには?
アダルトチルドレン(AC)の共依存の家族関係を抜け出すには、一番は物理的に離れるのが良いです。
ただし、親もそうですが、離れた本人も寂しいではどうにもなりませし、それでは実際に離れられませんね。
共依存を卒業するためには心理的に自立することが必要なのです。
では、どうするかなのですが、NLP講座やカウンセリングで心を満たしていくことが早いです。
心を満たして、自分自身の足で歩けるようになれば、気持ちも晴れやかに生きやすくなります。
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
アダルトチルドレンの生きづらさを変える方法
アダルトチルドレンの生きづらさを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
そして、人生好転の歯車が回りだすのです。
もし、アダルトチルドレンの生きづらさも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。

以下の記事を合わせてお読みいただくとアダルトチルドレンへの理解が深まります。
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACヒーローの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACスケープゴートの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACプリンス(プリンセス)の場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACピエロ(クラウン、マスコット)の場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ACロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)の場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:プラケーターの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:イネイブラーの場合
- アダルトチルドレンのカウンセリング:ケアテイカー(リトルナース)の場合
- アダルトチルドレンのカウンセリングとは?主な内容、効果、料金
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