アダルトチルドレン(AC)のイネイブラー(世話役、救済者)の世話焼き行動をイネイブリングと言います。
このイネイブリングは、依存症者本人とイネイブラーを共依存にして、状況をどんどん悪化させます。
優しい行動であるはずの「お世話」がなぜ共依存を生むのでしょう。
- イネイブリングの意味
- イネイブリングは共依存を生む
- イネイブリングと呼ばれる行動の種類
- イネイブリングをやめるには
この記事を読むとイネイブリングと共依存の関係が理解でき、イネイブリングについての知識が深まり、克服することが出来ます。
目次
イネイブリングとは
イネイブリングとは、アダルトチルドレン(AC)のイネイブラー(世話役、救済者)の世話焼き行動を表す意味の言葉で、この行動は依存症者、例えばアルコール依存症者の夫に対して献身的に奉仕する妻の共依存の行動です。
イネイブリングは一見、献身的に身を削りながら夫に奉仕しているように見えますが、その実は「夫のアルコール依存症」を支えていると言われてしまいます。
誤解をしないで欲しいのが、イネイブリングをする家族や周囲(友人や会社の同僚)の人たちは、依存症者のことを良く知り、とても優しい性格です。
ですが、「依存症」という病気の前では、優しい関わりが治療を阻んでしまいがちなのです。
なぜ、そのようなことが起きてしまうのか仕組みを理解しましょう。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンとは?
イネイブリングは共依存を生む
イネイブリングの問題は共依存関係を生み、依存症の本人のためにも、自分のためにも良くないどころか事態を悪化させていきます。
アダルトチルドレン(AC)を生む機能不全家族の親の中には依存症という病気を抱えている人たちがいます。
この依存症には、アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症、仕事依存症(ワーカホリック)などがあります。
イネイブラーの家族や周囲の人たちは、依存症者を回復させようと関わりますが、依存症は脳が依存物質により中毒症状を起こしているために、簡単には依存を断ち切れません。
そのため、周囲の優しい関わりが、依存症者本人が「立ち直る」という決意をもてないままに、「まだ何とかなる」と思わせてしまうのです。
それでは、イネイブリングと呼ばれる行動は具体的にどのような行動なのでしょうか?
こちらもお読みください。→共依存とは?
イネイブリングと呼ばれる行動
イネイブリングと呼ばれる行動は、具体的には次のような行動です。
アルコール依存症の依存症者を例に説明します。
イネイブリングは3つのコントロールがあり、行動、理由、結果のコントロールをしようとします。
- 酔いつぶれた本人に代わって会社に休みや遅刻の連絡をする(結果のコントロール)
- 酔いつぶれた本人が仕事に間に合うように全ての用意を整えて出社させる(結果のコントロール)
- お酒のためにした借金を肩代わりする(結果のコントロール)
- 飲み過ぎてはいけないと、お酒の量を調節したり、お酒を隠す、お酒を捨てる(行動のコントロール)
- 飲酒についてルールーを作り、そのための話し合いをする(行動のコントロール)
- 飲酒が増えないように、ストレス発散をさせたり、顔色をうかがう(理由のコントロール)
イネイブラーは本人のために良かれと思って上のような行動を起こしがちですが悪循環にはまります。
これらのイネイブリングは本人の失敗経験を軽くしてしまい、自分を省みるという機会を奪います。
誰かが責任を肩代わりしてくれたら、本人の痛みは軽く済む、もしくは痛くもかゆくもないかもしれません。
そして、先ほどもお伝えしたように、脳の中毒症状は禁断症状などが出て「非常に強い欲求」が出るのです。
ですから、上のようなことを続けても、飲酒のためにはどうにかして壁を乗り越えようと努力します。
結果、邪魔すればするほど、もっと本人は強い衝動や行動に出て、イネイブラーも本人も疲弊して事件に発展してしまうことがあるのです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン:イネイブラーとは?
イネイブリングをやめるには
イネイブリング(世話焼き行動)をするイネイブラーは、家族や周囲の人たちも本人のことを考えた優しい人たちです。
ですが、このイネイブリングは、共依存を生み事態を悪化させてしまうということを、一番に理解しましょう。
依存症は病気です。
依存症者の人が回復する方法は、病院で治療をすることが一番必要です。
まずは、依存症の本人にそれを伝えて、自分はお世話をやめるということが必要です。
簡単に言うと、自分の始末は自分でという決意をさせ、自分で取り組ませないといけないのです。
イネイブラーは依存症者をコントロールすることはやめて、自分が相手を依存をさせていて、自分自身もお世話に依存しているという自覚を持ちましょう。
イネイブリングをやめることが難しいと思う場合はカウンセリングが有効です。
こちらもお読みください。→イネイブラーの克服
自助グループを活用する
依存症から立ち直らせるには自助グループへの参加も視野に入れましょう。
アルコール依存症や、薬物依存症、ギャンブル依存症などの依存症対策対策全国センターでご紹介されています。
依存症回復の手助けにご利用ください。
イネイブリングをやめる:NLPの講座やカウンセリング
イネイブリングをやめるためには、NLPの講座やカウンセリングも有効です。
アダルトチルドレン(AC)のイネイブラーは、機能不全家族の家庭環境の中で、両親の関わりが日々の生活で影響して、お世話をすることが当たり前になった人たちです。
自分のことはさておいて、相手のために尽くすということを存在価値にしたイネイブラーさんも、そろそろ自分のために生きていくことを学んではいかかでしょうか?
あなたも自分のために自分をお世話して、ポジティブな感情を感じながら充実して生きていっても良いんです。
NLP(神経言語プログラミング)の講座やカウンセリングでは、あなたの価値観や思考パターン、行動パターンに変化が起きます。
そのためには過去を癒して、あなたの過去の経験から変えていきます。
ですから、思ったよりも早く癒されて、幸せな人生を歩むことが出来ますよ。
アダルトチルドレンの生きづらさを変える方法
アダルトチルドレンを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
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