罪を犯した、悪いことをしたという意識のことを罪悪感と言います。
毒親はこの罪悪感を子どもに植え付けることが非常に多いです。
罪悪感を植え付けられた子どもは、毒親に精神コントロールされがちなのですが、いったいどのような関係になっているのでしょう?
- 毒親の罪悪感の植え付け方
- 毒親が罪悪感を植え付ける理由
この記事では毒親が子どもに罪悪感を植え付ける方法と、罪悪感を受け付ける理由、そして克服方法をお伝えします。
目次
毒親の罪悪感の植え付け方
毒親の罪悪感の植え付け方は、だいたい決まっています。
支配的に抑え込むか、共依存的に泣き落としにくるかの2種類です。
いずれにしても毒親の行動は過干渉になり、子どもの人生に本当に必要な自立という要素を脅かしに来ます。
次にそのような毒親が子どもに罪悪感を植え付けるパターンをお伝えします。
毒親の被害者にならないためにも、このような言葉を言われたときは、あまり気にせずスルー出来るようにしましょう。
毒親のプライバシー侵害に関する記事はこちらです。→毒親のプライバシー侵害
お前にどれだけ金がかかってると思ってるんだ
毒親はとにかくお金のことをいちいち言います。
あ、お金に無頓着のほうが良いという意味ではありません。
子供に嫌味を言うために言っているという部分がいやらしいのです。
「そんな高いもの買って」とか「今までどれだけお前に金がかかってると思ってるんだ」とか、子どもを育てることがいかに大変でお金がかかることか、という点だけを思い切りぶつけてきます。
じゃあ、何も言わずにお金をかけるのはいいのか?
実はそうではなくて、子どもの健全な発育には身近な大人の情緒的な振る舞いが必要です。
お金持ちの家庭でありがちなのが、お金や物だけは無尽蔵に与えて、子どもの心が不安でいっぱいの例です。
お金や物は部分的な満足にはなりますが、子どもに本当に必要なのはスキンシップやプラスの言葉がけなのです。
お金や物が幸せの「一番」にはならない証明です。
お金で支配する毒親の父親の詳細はこちらです。→毒親の父親の特徴
あなたが心配させるから病気になったのよ
病は気からなので、心配ばっかりかけさせられたら病気にもなるでしょう。
しかし、毒親の場合は、不摂生やそもそもの思考パターンで心が病んでいることが多いのです。
だからこそ、可愛い子どもに「あんたのせいで病気になった」と言えるのでしょうね。
一つ言えるのは、あなたのせいではありません。
そんなこと言われて子どもの一生が罪悪感でダメになるのがわからないのでしょうか。
せっかく産んでやったのに、産むんじゃなかった
母親にこのセリフを言われて、みなさん「産んでくれなんて頼んでない!」と思いますよね。
産むんじゃなかったという言葉は、存在否定なので毒親が思っている以上に子どもを深く傷つけます。
そうでなくても、子どもは生まれた時から親を愛するという感覚をもっていて、必死に愛そうとしています。
このような言葉で、自分の存在を否定されると、子どもは無気力になったりうつ症状を発します。
このような毒親の母親の特徴の詳細はこちらです。→毒親の母親の特徴
本当は男の子(女の子)が良かったのに
何気なく毒親が吐く言葉で、「本当は男の子(女の子)が欲しかったのよね」と言うことがあります。
カウンセリングにおいて、かなり大勢のクライエントが、このような言葉に感情を傷つけられていると気づかされます。
この言葉は存在否定でもあるのですが、自分の性を否定されているとも言えます。
それも他人ならまだしも、身近な家族に否定されるという事実がとても大きな問題です。
すると、女性は女の子らしいおしゃれや化粧、スカートなどを恥ずかしく思ったり、男性は男らしくいることを避けようとします。
ありのままの性を否定されることは、マイノリティーの人だけではなく、実は頻繁に起きているんだと感じます。
このような一見些細な言葉で、何十年も自己否定感で苦しむ人がいるのです。
毒親の暴言例についての詳細はこちらです。→毒親の暴言の例
あなたのためにしているのに
毒親の「あなたのためにしている」という言葉は続きがあって、「あなたのためにしているんだから、私にコントロールされなさい」ということです。
本当に子どものためを思っているのなら、子どもが罪悪感を感じることもないでしょう。
毒親はあえて罪悪感を植え付けるような言葉を選んで、あえて選択肢を狭めて追い詰めて話をしているのです。
毒親の恐怖は子どもが自分のコントロールから離れることです。
自立を喜べない毒親は、あなたのためにという罠をたくさん仕掛けます。
私を捨てるんだね
私を捨てるとか捨てないとか、そんな話をしていないのに毒親は話をすり替えて言うことがあります。
就職や転勤、一人暮らし、結婚など、人生のイベントに差し掛かった時に、親は喜ぶと思いきや情緒が不安定になることがあります。
そんな時に毒親は子供のコントロールが出来なくなる不安といら立ちで、「私なんかいらないんだろ」というセリフを吐きます。
毒親育ちの人でも、このような「見捨てられ不安」を感じる人がいると思います。
両親や恋人が自分から離れると思ったら、気が狂いそうに怒りや落ち込み、悲しみが襲ってくる状態です。
毒親も同じように、心が荒れ狂ってこのような言葉を吐くのです。
見捨てられ不安の詳細はこちらです。→アダルトチルドレンの特徴⑥見捨てられ不安でしんどい
毒親といて自然とわいてくる罪悪感
例え毒親が先ほどのような言葉を発しなくても、実は子どもが罪悪感を自然に感じることはあります。
主に次のような場面で、子どもは罪悪感を感じて、家族や毒親にコントロールされてしまうとも言えます。
病弱
病弱なのはしょうがない…とも言えないのが「毒親」に関する話題です。
しょうがない部分もあるのですが、毒親の場合は子どもを離したくないために、無意識に病気を治さない、治らないという場合があるのです。
子どもが学校に行く時間におなかが痛くなるのと一緒で、本当に病気になりがちな毒親がいます。
このような場合、毒親の気がかりがさると元気になり、気がかりなことが起きるとあちこち痛んだり、具合が悪くなったりするのです。
すると、子どもは罪悪感を感じて、自然と親から離れずに寄り添う時間が増えます。
結果として、自分の人間関係をおろそかにしたり、恋愛や結婚が遅れたり支障をきたす人がいるのです。
毒親のケアに時間を割きがちなアダルトチルドレンの詳細はこちらです。→アダルトチルドレン:イネイブラー(ケアテイカー・リトルナース)とは?
嗜癖者
アダルトチルドレンを生む機能不全家族にいがちな親のタイプに「嗜癖者」がいます。
嗜癖とは何かに極度に没頭する習慣という意味の言葉です。
嗜癖者はつまり依存症者で、アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症、ワーカホリック(仕事依存症)などの病気の人たちです。
これらの嗜癖者がいると、子どもは自然と罪悪感を感じて社会に対して隠し事をするような感覚に陥ります。
そして、家族内の秘密となり、家族間の負の絆が強くなるのです。
アダルトチルドレンを生む機能不全家族の詳細はこちらです。→機能不全家族とは?
親を悪者にする自分
子どもというものは純真です。
毒親と言えども、幼少期から育ててくれた愛情は「どこかで」感じているのです。
ですから、自分が毒親を「毒」認定することにも気が引けるし、そのうちいつか毒親も普通の親になってくれるという期待をもったりします。
いつかわかりあえて、世の中の親子関係のように素敵な愛情あふれる家庭になるだろうと。
ですから、親を毒親呼ばわりする自分を責めてしまったり、罪悪感を感じたりするのです。
ひょっとしてもしかしたら「おかしいのは自分」なのだろうかと思ってしまいます。
毒親が罪悪感を植え付ける理由
毒親が子どもに罪悪感を植え付ける原因は、簡単に言うと支配(コントロール)したいという理由です。
毒親が「毒親育ち」であることは多いですが、その場合安心感が足りないために、必死で予測可能な状態を作ろうとするのです。
そのため、自分の周囲に関わるものは、コントロールして安定させようとするのです。
就職にまで口を出す毒親の例はこちらです。→毒親が進路を勝手に決める?!
いつまでも子どもを支配したい
毒親が罪悪感を植え付ける第一位は、いつまでも支配下に置きたいという理由です。
多くの人の中で、自分の子どもは一番簡単に支配しやすいと言えます。
毒親が無意識に子どもの成長や新たな人間関係を恐れるのは、この自分の支配から抜け出すのでは?という恐怖心からなのです。
友人が出来たり、恋人が出来たら喜ぶのが親の役目であり、嫌で応援するのがまともな精神だと言えます。
子どもの自立は喜ばしいものなので、家から外に出ることは応援するべきなのです。
優越感に浸りたい
コントロール下に置いた子どもは弱者なのです。
子どもを支配していることで、毒親の優越感が満たされます。
毒親の中には優越感を満たしたいタイプがたくさんいます。
外の他人の場合は、自分の価値が脅かされる可能性がありますが、家の中の子どもであればコントロール下に置きさえすれば自分を傷つけず、自分を敬う存在になります。
そのために、罪悪感を植え付けて子どもの心を縛り付けようとするのです。
収入源だと思っている
子どもに罪悪感を植え付けてしまえば、子どもは恩返しをしてくれます。
毒親が「病弱」ともつながりますが、子どもの収入を期待するあまりにダメな親になっていることもあります。
あからさまに期待をする親がいることもあり、そんな毒親にコントロールされている子どもは、ずっと人生の中で搾取され続けます。
毒親育ちの中には、親がギャンブルなどで作った多額の借金を返し続けるという人もいます。
老後の世話をさせたい
普通の家庭でも老後の心配はあるものです。
ですが、毒親は自分のことが第一優先で、子どもが世話をするのは当たり前になっています。
子どものことを考えたら、子どもに結婚や、社会での人間関係を大切にさせるのが普通なのですが、毒親は自分の世話をさせつつ、そんな話題に触れようとしません。
無意識に話題を避けつつ、子どもの心をコントロールしようとするのです。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
罪悪感を捨てて幸せになっていい
いかがでしょうか?
ご覧いただいたように、「毒親育ち」の人が感じる罪悪感は、あの手この手で毒親から植え付けられたものです。
この罪悪感は、通常の親子関係なら必要ないものです。
駆け引きなど何もなくても、健全な愛情を子どもに与えることが出来ていれば、子どもはいつまでも恩を感じて感謝をし、親を大切にするでしょう。
この罪悪感は、子どもを苦しめて、親以外の人間関係をも破綻させる可能性があります。
もしも、今罪悪感を感じているのなら、それは捨てても良いものです。
あなたの人生のためにも、幸せな未来のためにも植え付けられた罪悪感を手放して生きていくことが必要です。
毒親とは距離を取るのが一番です。
あなたの思いを大切にしてくれない親とは一旦距離を取ってみることをお勧めします。
連絡を一切断ってしまうというのも一つの手です。
また、植え付けられた罪悪感を解消するには、NLPのカウンセリングがおススメです。
原因となる過去の経験を解消することで、日ごろ抱えているモヤモヤをスッキリさせると生きる活力がわきますよ。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
罪悪感も毒親育ちもまるっと人生好転したいなら↓