毒親には何かにつけて子どもを否定するタイプがいます。
そのような毒親を「毒親の否定型」と言います。
本来、親子関係は信頼関係と安心感の中で肯定された経験が必要とされます。
それらがないと、子どもの存在や人生に悪影響が出るのです。
この毒親否定型の原因と特徴、否定された子どもの特徴はどのようなものでしょう。
- 毒親否定型とは?
- 毒親否定型の原因
- 毒親に否定された子供の特徴
この記事を読むと毒親否定型の特徴と原因がわかり、毒親に否定され続けた子どもの特徴がわかります。
記事を参考しにして、毒親からの影響を乗り越え、幸せな人生の助けになれば幸いです。
目次
毒親タイプ:否定型とは?
毒親の否定型とは、様々な否定の形(存在否定、人格否定、性の否定、意志や感情の否定、自立や成長の否定、子どもの優位性の否定等)をすることで子どもの心を踏みにじり、大人になってからも子どもの人生や心理面に生きづらさを植え付ける毒親タイプのことです。
毒親の否定型は、子どもの発言や振る舞い、行動などのすべてにおいて、「だからお前はダメなんだ」と言わんばかりに、なんでもかんでも否定してきます。
否定型の毒親の場合、「否定のための否定」になっているために、子どもにとっての正解というものはありません。
あるとすれば、否定を飲み込むということくらいです。
そのため、子どもたちは成長して大人になってからも、否定の種がぐんぐん育ち自分を肯定することが難しくなってしまうのです。
子どもの存在を否定する毒親
子どもの存在を否定する毒親は、「お前なんか産まなければ良かった」「お前なんかうちの子じゃない」「私の子どもなのになんてダメなやつなんだ」と存在や人格自体を否定してきます。
幼い子どもにとって、世界は親が中心で神様のようなものです。
ですから、それを受け入れるという選択しかなく、自己否定感が生まれ自分の価値や存在を低く見積もるようになり生きづらさが生まれます。
そして、毒親は「お前のため」という言葉で罪悪感も植え付けるために、子どもは親を嫌うと自動的に「罪悪感」で苦しみます。
自分を否定したくないから親を嫌おうとすると罪悪感が生まれる。
親の言いなりでも、反抗してもどっちも苦しいと言う出口のない苦しみになります。
こちらもお読みください。→毒親が罪悪感を植え付ける?
子どもの性を否定する毒親
子どもの性を否定する毒親は何気なくとても多いです。
少しわかりにくいかもしれませんが、例えば父親が娘の成長に戸惑い、わけのわからない言葉をかけるのも否定になります。
また、母親の娘に対して言う「本当は男の子が欲しかったんだよね」とか、生まれた時の親のがっかり感などは、実は子どもにとても伝わっています。
また、子供の成長に対して、いつまでも子ども扱いしてくることや、性的にからかうことも否定になります。
そうすると性を否定された子供たちは「存在否定」に近い受け取りをして、ひそかに自分にダメ出しをすることになります。
女性が女性らしい格好やおしゃれを出来ないこともありますし、男性が男らしさを出せないこともあります。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンの恋愛問題
子どもの感情や意思の表現を否定する毒親
子どもの感情や意思の表現、価値観を奪うのは、アダルトチルドレン(AC)の過干渉の毒親です。
過干渉の毒親は、自己愛型の親なので、娘や息子を通して自分の欲求を満たそうとします。
このような支配的な関わりは、子どもを依存的にするか、無気力にする可能性があります。
プリンス(プリンセス)タイプは、親の理想を押し付けられ言いなりの人形になってしまい、共依存に巻き込まれることになります。
ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)タイプは、過干渉を避けるために存在感を消して、人間関係を親もろとも断ち切るような戦略を取ります。
いずれにしても感情や意思を抑圧されると、急に心身に不調をきたしたり、人間関係の構築をすることが困難になってしまいがちです。
こちらもお読みください。→毒親の過干渉の特徴とは?
子どもの自立や成長を否定する毒親
子どもの自立や成長を否定する毒親は、共依存のタイプです。
共依存の毒親は自分と子どもの境界があいまいなために、自分がお世話する対象である子どもを身近に置いておきたい欲求があります。
ですから、子どもの自立が非常に恐怖です。
本来子供の自立は大変喜ばしいのですが、共依存タイプの毒親にとっては、自分自身の存在の危機になるために、全身全霊で子どもの自立や成長に関わることを嫌がります。
それは、新たな友人関係が出来る、恋人が出来る、進学、就職、結婚とすべてにわたり口を出し否定してくるのです。
こちらもお読みください。→毒親が結婚に反対する!
子どもを否定し自分が優位に立ちたい毒親
ただ単に自分が優位に立ちたいと言う心理的な原因で子どもを否定する毒親もいます。
彼らは自分自身気が付いていませんが、他人を鼻で笑ったりして、自分より強い人や優秀な人を決して認めません。
それは子どもにまで及び、言葉の端々に否定的な表現が混じります。
そして、子どもと競争しているのか?と思うようなことを口走ることもあります。
そんな毒親は常に他人より優位に立っていないと自分がぐらぐらしてしまうのです。
これらは自己愛の強い毒親です。
毒親という言葉の語源になった「毒になる親 一生苦しむ子供」の中でスーザン・フォワードは次のように語っています。
何事でも人を自分と比較し、自分のほうが優れていないと気がすまない人がいる。こういう人は、相手に能力の欠ける点を思い知らせることによってでしか、自分に能力があると感じることが出来ない。そういう人間にとっては、相手が自分の子供であっても同じことだ。
スーザン・フォワード著『毒になる親 一生苦しむ子供』講談社(2001/10/20)
毒親タイプ:否定型の原因
毒親否定型の原因は心理的なもので、自分自身が機能不全家族に育った影響による自己肯定感の低さと、知らないうちに自分より弱い立場から満たそうとする欲求が理由です。
子どもを使い、満たされない自分を満たそうとしているのです。
こちらもお読みください。→機能不全家族とは?
自己肯定感が低い
毒親否定型の原因は、自己肯定感の低さが理由です。
親自らも機能不全家族の中で育ち、虐待や暴力、暴言、放置などで否定されて生きてきたため世代間連鎖が起きている可能性があります。
自己肯定感とは、「ありのままの自分を認める」ことで生まれるため、幼少期に「無条件の愛情」をかけてもらうことが必要です。
毒親の連鎖の中では、どうしても条件付きになり、何かが出来たらOK、出来なかったらダメ、もしくは出来てもダメなどのメッセージがおおくなり、自己肯定感はなかなか育ちません。
そして、成長して大人が気が付くのは「自己効力感」なのですが、これは目的や目標を達成したことで「出来る」という自信になります。
しかし、自己効力感は存在の肯定である自己肯定感ではないために、一旦崩れると総崩れになるのです。
すると自信を失って辛くなります。
こちらもお読みください。→毒親の暴言の例
満たされない欲求を弱者で比較で満たす
親が一番比較して自分の優位を感じるのは子どもに対してです。
無力な子どもは親なしでは生きられません。
この感覚が親へ「優位」だという力を与えてしまいます。
すると、心が満たされていない親は、ずっとそこにしがみつきたい気持ちが生まれます。
子供の成長は早いので、どんどん優位性が脅かされてしまいます。
ですから、意識的にも無意識的にも様々な否定の方法で、子どもを格下に見て安心を得ようとするのです。
こちらもお読みください。→毒親タイプ:支配型の父親とは?
毒親否定型の子供への影響
毒親に否定され続けた子どもたちは、想像以上に生きづらさを抱えて苦しんでいます。
否定というのはトラウマになり、人生に暗い影を落としてしまうのです。
自己否定が強い
まず、無気力状態に襲われて、自己否定感が強くなります。
何をしても自分を責める自責傾向が強くなり、自信がなくなってしまいます。
親と同じように「ありのままの存在を認められる」という自己肯定感は育ちません。
感情や意思が表現できない
感情や意思を表現するたびに「NO」というメッセージを与えられてきたために、いつしか感情や意思を表現しなくなります。
ただ、何も感じないのではなく、抑圧しているために膨れ上がってストレスがかかると、一気にうつ症状などが溢れてきます。
感情や意思を奪う過干渉は、思っているよりも子どもには悪影響なのです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン:プリンス(プリンセス)とは?
人間関係が構築できない
身近な人間に否定されてきた子どもは、大抵外での人間関係に恐怖や緊張を覚えます。
そして、常に否定された関わりをされると、コミュニケーションがぎこちなかったり卑屈だったり、遠回りだったり、相手とスムーズに意思の疎通が出来ません。
すると、結果的にコミュニケーションが苦手になり、人間関係の構築が上手にできなくなってしまうのです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン:ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)とは?
チャレンジが出来ない
否定されている子どもたちは冒険心やチャレンジする心が育ちません。
チャレンジは安心感があって初めて出来るものです。
もしかしたら失敗や挫折するかもしれない怖さを乗り越える必要があるので、誰かに否定され続けた心では、チャレンジ自体を避ける傾向があります。
また、責任を取ると言う感覚も育っていないために、責任を持つ仕事や立場を避けるようになります。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
身体症状として出る
身体症状として出る症状には、うつ病や自傷行為、摂食障害やパニック障害、強迫性症状などがあります。
無気力や焦燥感、不安や緊張、恐怖感などが高く、日常的に辛い状態です。
これらは毒親に日常的に抑え込まれてしまった感情や意思が出口を失っている状態です。
抑圧された感情などは、このように身体化して表れることが多々あります。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレン:スケープゴートとは?
毒親タイプ:否定型の影響を克服するには?
否定型の毒親の影響を克服するには、まずは距離を置いて、心理的な面をクリアーしていくことです。
毒親から距離をおく
どのような親でも、親に変われと言うのはなかなか難しいところがあります。
毒親ならなおさらですが、いろんな人が試みて「毒親は変わらない」と結論付けています。
カウンセリングでも同じですが、まず本人が変わる意思がないと大変難しいのです。
そのため、一番手っ取り早い対処法は毒親から距離を取って新たな生活をすることです。
物理的にも心理的にも距離を取ることで、影響を限りなく減らせる可能性があります。
講座やカウンセリングを受ける
否定された毒親の影響が、心理的に残っているという場合は、NLPの講座やカウンセリングがおススメです。
例えば子育てをしていて、新たな世代間連鎖を生みたくないお母さんや、新たな恋愛を始めたい人など、無意識な引き寄せを断ち切った方が物事が好転しやすいのです。
毒親の影響を外すと、無意識的に新たな選択肢が生まれ、今まで見なかった世界を見ることが出来ます。
それはとても穏やかな世界です。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
毒親育ちも生きづらさも人生もまるっと好転したいなら↓