あなたはもっと相手と円滑なコミュニケーションが取れたらいいのにと思っていませんか?
たとえ家族や自分の子どもだとしても、「コミュニケーションが難しい」と感じている人は結構います。
私たちは、実は一人ひとりの内的な世界観が違うため、表現や感じ方も千差万別です。
その違いを理解してすれ違いをなくすために、これから説明するNLPのVAKモデルが役立ちます。
より円滑なコミュニケーションへのアプローチとして、NLPでは一人ひとりの五感の感じ方の違いを挙げることがあります。
この五感の感じ方の違いは、脳へのインプットとコミュニケーション相手へのアウトプットの違いにも表れます。
実はこの違いが、コミュニケーションのズレを生むことがわかっています。
しかし、逆にこの仕組みを知ることで、相手の感じ方の特性が理解できると、相手に対してより良く伝わるコミュニケーションをに活用することが出来ます。
NLPのVAKモデルは、天才セラピスト達がクライエントにアプローチする中で発見されたものです。
多くのクライエントをテストし、一人ひとりの五感の優位が違っていることを発見し、特徴やタイプの特性を研究しました。
NLPカウンセリングやセラピー、コーチングにおいては、クライエントの五感に合わせてセッションをおこなうことが重要で、そのため通常では考えられないスピードで変容をおこせます。
この仕組みが活用できると、家族内のコミュニケーションや子育て、仕事の人間関係にも役立てることが出来ます。
- NLPのVAKモデル(代表システム)とは?
- VAKモデルのタイプ分けの特徴
- NLPの優位感覚とは?
- 相手の優位感覚に合わせるコミュニケーション
この記事では、NLP VAKモデル(代表システム)と相手に合わせた優位感覚を使ったコミュニケーションについてわかりやすく説明します。
目次
NLPのVAKモデル(代表システム)とは?
NLPのVAKモデル(代表システム)は人の五感には偏り(優位)があること、そして五感の働きと目の動きや言語・非言語表現などの間に関係があることを明らかにした研究結果のことです。
五感には視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚があります。
そのうちの、視覚・聴覚・触覚の3つに焦点を合わせて、人のコミュニケーション時の特徴を分類しました。
この視覚(Visual)・聴覚(Auditory)・触覚(Kinesthetic)の英語表現の頭文字をとって、NLPのVAKモデルと言っています。
余談ですが、嗅覚と味覚はなぜ外れているのでしょう?
それはNLP的には嗅覚と味覚は触覚(運動感覚、身体感覚)に含まれているという捉え方だからです。
ただ、脳科学的には刺激に対する脳の経路は違うので、はっきりわからないのですが、私の実感としては嗅覚と味覚はコミュニケーションやカウンセリング等の実務では、そこまで使い分ける意味はないと感じています。
ですから、とりあえず現状のままでOKなのかなと感じています。
また、ジョン・グリンダー博士は「通常は味覚と嗅覚を分けられる人が少ない」と言っています。
かき氷のシロップを思い出してください。
あれは、実は味覚では「甘い」砂糖の味ですが、そこに「匂い」を混ぜることで、様々な「味」として売っているのです。
メロンやイチゴ、レモン、ブルーハワイなどなど、味覚と嗅覚を合わせて、「味」と表現します。
さらに、一般的に「味」と言ったときには「食感」もはいってくるので、結構複雑ですね。
実際の味覚は、「甘味」、「苦味」、「塩味」、「酸味」、アミノ酸がもたらす「うま味」の5つが基本です。
「辛味」は痛覚の刺激なので、正確な味には含まれません。
NLPでは、過去の経験を扱ってイメージワークをしますが、その時に嗅覚と味覚はほとんど使いません。
脳科学の話は以下を参考にしています。
池谷裕二監修『脳と心のしくみ』(新星出版社 2015/11/25)
VAKモデルのタイプ分けの特徴
VAKモデルのタイプわけの特徴を見てみましょう。
明らかに偏りがみられる人もいますが、「タイプ」とくくるよりも、得意な要素があるという捉え方の方が良いと思います。
例えば、仕事で聴覚優位な人がプライベートでは触覚優位になっているということもあります。
それくらい状況によって、優位感覚を変える(変わる)人もいますので、タイプ分けしすぎて逆に惑わされないようにしましょう。
ちなみに細かく言うと、外界を理解するインプット方法と、それを表現するアウトプット方法でも人によっては偏りや差があるので注意が必要です。
視覚(Visual)優位の人の特徴
視覚優位な人は、映像や絵、デザイン、色彩などに関わる趣味や仕事を好むタイプです。
コミュニケーション時には、「見たい」ので距離を取り全体像を見ようする傾向があります。
そのため、近くによられると逆に違和感を感じます。
自分が何かを理解したい時は、「図、グラフ、絵」など絵画的な要素があるとスムーズです。
質問されたときにイメージを思い出すときは、視線は上に行くことが多いです。
会話時はイメージを思い出して説明し、割と早口の傾向です。
言葉的には視覚的な表現を多く使う特徴があります。
見る・見える・見通し・思い描く・明確な・鮮やかな・鮮明な
明るい・暗い・ビジョン・輝く・カラフル・ひらめく・イメージ
ひらける・見渡せる・キラキラなど
聴覚(Auditory)優位の人の特徴
聴覚優位の人は、音楽や文章・論理・言語を好むタイプの人です。
論理的な左脳タイプの男性に多い特徴でもあります。
コミュニケーション時には、「聞きたい」ので視覚優位と触覚優位の人の中間距離と言われます。
そのため、聴いている人は、相手のことを見なくてもコミュニケーションを取ろうとします。
コミュニケーション的には「見てくれない」と「聞いていないのでは?」と思われるという面白いことが日常的に起きます。
男性で左脳的な論理タイプの人は「聞いている」ことが多いので、新聞を読みながら奥さんの話を聞き流し、「ちょっと聞いてるの!」と怒られて、「聞いてるよ」と返事をします。
聴覚優位の人は、言語優位の人もいるので、まさに「聞いてるよ」と文字通りで返します。
ですから奥さんが怒っている理由がわかりません。
しかし、奥さんからしたら話している自分を見ないので怒っているわけです。
聴覚優位の人は、言語表現もしくは音楽的な表現が得意です。
言語表現が得意な人は文章が整っていると威力を発揮し、音楽表現が得意な人はまさに音楽に才能を発揮します。
質問されたときに音を思い出す場合は、視線は横に行くことが多いです。
言葉的には左脳的な論理傾向や音楽的な「音」の表現を多用します。
聞く・聞こえる・同調する・言う・説明する・話す・語る
にぎやか・騒がしい・テンポ・トーン・ささやく・響く
奏でる・声・音・耳障りが良い・静けさ・ピンとくるなど
触覚(Kinesthetic)優位の人の特徴
触覚優位のタイプの人は言い換えると、体感・身体感覚や運動感覚を得意とする人たちです。
スポーツ選手やダンサーなど身体を使う人に優れた人が多いと思われます。
コミュニケーション時には感じたいので近づいたり、体験したいという傾向があります。
相手が離れようとすると、寂しいという感覚や物足りないという感覚が起きます。
その場の空気や相手の雰囲気を敏感に察知する能力があります。
得意な表現的には身体の感覚を使った言語表現です。
会話時は感じながら話すために、割とゆっくり話す傾向です。
質問されたときに触覚を思い出すときは、視線は下にいくことが多いです。
感じる・手ごたえ・やわらかい・ソフト・まったり・緊張・触れる
動く・手に取る・暖かい・冷たい・鋭い・固い・心地よい
空気感・重い・軽い・爽やか・染み渡る・腑に落ちる・ぐっとくるなど
NLPの優位感覚とは?
優位感覚とは、今まで説明してきたVAKの感覚が個人によって、またその時その時によって優先順位があるということです。
視覚が得意な人は「この人の優位感覚は視覚」という言葉の使い方をします。
また、細かく説明すると瞬間瞬間の感覚の偏りは、優先表出体系と呼びタイプ分けではなく状況によって変わります。
相手の優位感覚に合わせるコミュニケーション
相手の優位感覚に合わせることが出来たら、とてもスムーズにコミュニケーションが取れます。
優位感覚に合わせるには、目の動きや非言語表現、言語表現で相手の優位感覚を観察して捉えていくことが必要です。
ただ、注意点としてNLPの技術は意識しすぎると「ぎこちない人」になりやすいです。
わからない部分はわからないで、誠実に相手に合わせていこうとする心の姿勢も持つとよろしいかと思います。
相手の優位感覚タイプに合わせる
相手が視覚の優位感覚タイプであれば、視覚的な表現の言葉を使ってあげたり、身振り手振りを使ったり、絵や図など視覚的な補助を使うと効果的です。
相手が聴覚の優位感覚タイプであれば、聴覚的な表現の言葉を使ってあげたり、説明的に話すことや、声の質を変えること、また文章を補助的に書いて説明すると効果的です。
相手が触覚の優位感覚のタイプであれば、触覚的な表現の言葉を使ってあげたり、感情や気持ちを込めて話したり、その雰囲気や空気感、距離感や肌触りなど含めて説明すると効果的です。
余談ですが、学習や記憶に関して言うと、タイプに合わせると覚えやすいです。
さらに、どのタイプでも様々な行動と合わせて覚えると効果的だということが科学的にわかっています。
例えば、歩き回ったり、口に出したりすること、何かの変な動きでもOKです。
行動や行為と合わせると人は記憶しやすいそうなのです。
NLP的には触覚を使うということですね。
また、記憶を定着させるには、アウトプットが大切です。
記憶の定着に関する「復習タイミング」に対して実験したエビングハウスの忘却曲線というものがあります。
詳細は省きますが、忘れたころにインプットとアウトプットをしていくことで、脳が「大切なのね!」と思って記憶に定着させようとします。
ですから、試験を控えている人は、無駄にしないためにも一夜漬けはやめた方が良いでしょう。
相手の「今の」優位感覚に合わせる
相手のタイプがわからない…。という人もいるでしょう。
NLPのVAKモデルのスキルを手にするためには、日ごろの練習で感覚を研ぎ澄ませることが必要です。
ですが、もしもVAKモデルや相手の優位感覚タイプがわからなくても相手に合わせることは出来ます。
相手に合わせるのは、心理学的にはラポール(良い関係・信頼関係)を築くためです。
それが、NLPや心理学のスキルであるペーシングやミラーリング、キャリブレーションやバックトラッキングなどの会話方法です。
これらを使えば、相手のタイプがわからなくても、今の優位感覚に合わせることが出来ます。
もちろんVAKのタイプ分けも出来たらより効果的です。
コミュニケーション相手と信頼関係を築くラポールの詳細はこちらです。→ラポールとは?
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