人は相手に理解されたいと思っています。
そして、自分の考え方や価値観に近く似ている人を、「理解し合える人」と感じやすい傾向があります。
相手に対して無意識レベルで「あなたに似ているよ」というメッセージを身体的に伝え、安心感を与えるコミュニケーションテクニックにミラーリングがあります。
このミラーリングというテクニックについてわかりやすく解説していきます。
- ミラーリングとは?
- ミラーリングとミラーニューロンの関係とは?
- ミラーリングでコミュニケーション相手とラポールを築く方法
この記事ではNLP(神経言語プログラミング)で広まったこのミラーリングというスキルをわかりやすくお伝えいたします。
目次
NLPのミラーリングとは?
ミラーリングとは、相手と同じような動作や姿勢・しぐさ・表情などをすることで、無意識レベルで相手のミラー・ニューロンに働きかけ、相手の心理状態に「似ている=仲間」という体験を起こし、コミュニケーションにおいて安心感を伝える心理スキルです。
心理学ではカウンセラーはクライエントに対して、「無意識レベルの良好な関係性=ラポール」を築きます。
このラポールを築くために、相手の状態に合わせるペーシングをおこないますが、ミラーリングはこのペース合わせである身体的なペーシングの一つです。
ラポールを築くための重要テクニックは他にも、キャリブレーションやバックトラッキングなどもあります。
ラポールについて詳細はこちらです。→ラポールとは?
ミラーリングの仕組み
ミラーリングの仕組みとはどのようなものでしょうか?
人は「似ている人」や「共通項のある人」に心を許す傾向があります。
同郷の出身や同じ趣味、同じサークル、学校、職場などもそうですが、価値観や考え方なども当てはまります。
そして、それらとは別に同じような動作や姿勢・しぐさや表情でも心を許すことがわかったのです。
この仕組みをコミュニケーションに意図的に使ったものがミラーリングです。
実際にはミラーリングをしなくてもミラー・ニューロン自体は常に働いています。
例えば、仲の良い恋人や家族・友人といる時に、話し方やうなづき、動作や行為までが似てくる場合があります。
居心地の良いおしゃべりに花が咲き、同調現象がおきて、そして、相手の言いたいこともすんなりわかる。
そういう時こそ、ミラー・ニューロンが働いています。
一人が水を飲んだら、もう一人も水を飲んだ、そんな場面を見かけた人もたくさんいると思います。
あれもミラー・ニューロンの働きが起こす同調現象です。
ミラーニューロンを使ったミラーリングの効果
もしも、このミラー・ニューロンの仕組みを上手く使うことが出来たら、ミラーリングをすることで信頼関係を作ることができるのでは?という考えからこのテクニックは始まりました。
つまり、ミラーリングはこのミラー・ニューロンの働きを意図的に使うことで、初対面においても、警戒心を除き、安心感を伝え、良好な人間関係を築く効果のあるテクニックなのです。
ミラーリングが発見された経緯(NLP)
ミラーリングという活動自体はNLP創始者の2人がセラピストの共同研究をしている時に発見しました。
クライエントとセラピストの間に、模倣的な動きが起きていたのでその仕組みを抜き出しました。
ただ、その時はミラー・ニューロンというニューロンの働きまではわかっていませんでした。
ミラー・ニューロンが発見された経緯(脳科学)
ミラー・ニューロンはその後、脳科学研究の中のサルの研究で見つけられたものです。
ミラー・ニューロンは他者の行為を見ているだけでも、自分の頭の中にその他者の行為と同じニューロン活動が起きるということが発見されたのです。
ミラー・ニューロンは以下のような機能をもっているのではないかと推測されています。
- 他者の行為を理解する機能
- 他者の行為の背後にある意図の理解をする機能
- 他者と心理状態を共有する機能(共感)
ミラー・ニューロンとは、Rizzolattiらの研究においてサルの腹側運動前野および下頭頂小葉で見つかった、自分が行為を実行するときにも他者が同様の行為をするのを観察するときにも活動するニューロンである。単に行為の視覚特性に反応しているのではなく、行為の意図まで処理していることが示唆されており、他者の行為の意味の理解・意図の理解などとの関与が提案されている。人の相同領域でも、ミラー・ニューロンと解釈できる活動が示されている。
佐藤弥著『脳科学辞典 ミラーニューロン』https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3
普段ミラー・ニューロンの働きを感じるのはさほど難しくありません。
例えば、映画やドラマを見ているときでも、感情移入したり共感することが出来るのは、ミラー・ニューロンの働きのせいです。
また、映画などの画面越しよりも、リアルに近くにいる人の方が大きく影響します。
NLPのミラーリングの方法
それでは、具体的なミラーリングの方法を見てみましょう。
ミラーリングでは相手の動作や姿勢・仕草や表情などを合わせますが、以下のような3つの方法があります。
ミラーリング
ミラーリングはミラーというだけあって、向かい合ったときに、鏡に映った姿のように真似るのが一般的な方法です。
相手の動きに対して、右手を上げたら左手を上げるというように鏡に映る自分のように真似ることでミラーニューロンが働きます。
水平ミラーリング
水平ミラーリングは隣に座った時に、同じ動きをすることで、ミラーニューロンを働かせます。
先ほどの普通のミラーリングと違って、左右が逆になります。
視覚的には映っていなくても、ミラー・ニューロンはどうやら「一部を観察すれば察する」ことが出来るので、隣で同じような動きをしていてもミラーリングの効果があります。
交差ミラーリング
交差ミラーリングは、相手が腕を組んでいたら、自分は足を組むのように、少し違う場所などで真似る方法です。
相手が腕をのばしたら、こちらは足をのばすという動作でも、真似をするという意図が無意識レベルでは伝わり、ミラーリングとして効果を発揮します。
ミラーリングをする時の注意点
ミラーリングをする時は注意点があります。
それは、あまりにも合わせすぎると相手が違和感を感じてしまい、逆効果になるということです。
ミラーリングというテクニック自体は、知っている人は知ってるレベルで広がっています。
コーチやカウンセラー、ビジネスなどでも使われることがありますが、あまりにやりすぎると、胡散臭い人になってしまい「何をされるんだろう…。」と防御されてしまいます。
すると、あなたの意図「信頼関係を構築したい」とは、真逆の結果を導き出してしまいますので、注意が必要です。
さらに効果的なミラーリングの方法
このミラーリングの欠点を補うやり方がじつはあります。
NLP創始者のジョン・グリンダー博士が日本へいらっしゃったときに教えてくれましたが、ミラーリングは「微細に合わせる」だけで、ミラー・ニューロンの働きが起きるということです。
例えば大きくうなづいている相手に対して、少しうなづくだけでOKというものです。
同じ動きや姿勢・しぐさ・表情ではなく、少しだけ合わせるイメージをするように動くことが大事だと言っています。
ジョン・グリンダー博士はこのことを「極微筋肉動作で合わせるミラーリング」とおっしゃっていました。
いかがでしょうか?
ミラーリングを上手く使うことで、良好なコミュニケーションが出来るようになります。
是非取り組んでみてください。
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
NLP(神経言語プログラミング)の詳細はこちらです。→NLPとは?
NLP(神経言語プログラミング)はコミュニケーションをより良くすることが出来ます。
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