毒親とは子どもの健全な成長にとって「毒になる関わりをする親」という意味の言葉です。
スーザン・フォワードというカウンセラーが「毒になる親」という著書の中で使いだした言葉が由来です。
毒親には父親と母親の両方がいますが、今回は父親の特徴を見てみたいと思います。
毒親の父親は男性の特徴である攻撃性があらわれた形になります。
- 毒親の父親の特徴
- 毒親の父親の影響から抜け出すには
この記事を読むと毒親の父親の特徴が理解できて、毒親の父親からの悪影響の抜け出し方がわかります。
毒親の父親の影響から解放されて、生きやすい幸せな人生を歩みましょう。
目次
毒親の父親の特徴
毒親の父親の特徴は、子どもに対して態度や行動で力を誇示して支配したり、共感せずに否定したり、無関心で関わらずに放置したり、過干渉だったり、子供の成長を認めないで競争しようとするところがあげられます。
いずれにしても、毒親の父親は子どもとの関係性の中で、子どもの自己肯定感を育めず、かえって生きづらさを与えたり、存在を否定して自信を喪失させ、自立できないような関わりをする傾向があります。
アダルトチルドレン(AC)を生む機能不全家族の親は、暴力や虐待、精神的虐待や性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、否定や支配や過干渉、依存症などによる共依存などの特徴がありますが、まさにこの親が毒親なのです。
こちらもお読みください。→アダルトチルドレンとは?
暴力や虐待、暴言や怒り、威圧で支配する
毒親の父親にまず多いのが、力を誇示して支配しようとするタイプの人たちです。
まずこのようなタイプは、昔から人を威圧してコントロールしていますので、それが成功体験として身につき無意識で力を誇示します。
子どもにとっては男性である父親は、力が強く逆らえない神様のようなものです。
この父親が暴れようものなら、恐怖でトラウマになり、言うことを聞くしか選択がありません。
また、実際の暴力ではなかったとしても、暴力をふるうふりや、ものを壊すふり、何も言わなくても不機嫌な態度なども子どもにとっては一緒です。
このような毒親の父親にとっては、意見を言うことなどは「逆らう」と認定されるために、子どもは抑え込まれて人格を否定されてしまいます。
また、毒父自身も親から同じようにしつけられている場合も多く、世代間連鎖が起きている可能性が高いのです。
私の父も威嚇や威圧を平気でしてくるタイプで、言うことを聞かせるためには怒鳴る人でした。
毒親の支配型の父親に関してはこちらに詳細があります。→毒親の支配型の父親とは?
共感できずプライドを守り否定する
毒親の父親に多いというか、男性が女性よりも傾向が大きいのが共感力のなさです。
性別の差の問題もあるのですが、発達障害などの一部の方にはより共感能力が欠如しているタイプがいます。
すると、単純に人の気持ちがわからずに、自分の気持ちが優先でごり押しをしてきます。
また、男性は大抵プライドが高いので、自分を低く見るような言動を見逃しません。
毒親の父親も同じように育てられている可能性が高いので、そうすると自己肯定感のなさから、弱いものを踏みつけて満足しようとしてしまいます。
子どもの気持ちには寄り添えずに、自分のプライドだけは守ろうとします。
毒親の父親の否定については、存在や人格、性、能力や努力、将来を否定するようなものがあります。
「お前はうちの子ではない」「お前みたいなのは俺の子どもではない」「お前はどうしてそんなにダメなんだ」などは存在や人格の否定です。
存在や人格を否定されると、その後の人生のあらゆる場面で自信のなさとして表れ、生きづらさとしていつまでもまとわりつきます。
「お前が男の子だったら良かった」「2番目は本当は女の子が良かった」などは性の否定になります。
自分自身の性を否定されると「らしくいる」ことに拒否感が生まれます。
例えば女性ならおしゃれをすることも「らしくいる」ことになりますが、これに対して恥ずかしさや情けなさなどが感じられて、おしゃれをしようとしない人になることがあります。
逆に針が触れると、過剰に女性をアピールする人になり、無用な男性関係で困る人にもなります。
「どうせお前は出来ない」「頑張っても大した者にはなれない」などは能力や努力の否定になります。
能力や努力を否定されると、子どもはチャレンジしなくなり、あきらめやすい子どもになります。
また、この言葉が呪縛になると、「何かを成し遂げる」一歩手前で投げ出すという行為が毎回起きるようになります。
例えば、卒業試験さえ受ければ卒業できるというのに、「受けない」という選択をして、他のことをするようになることがあげられます。
このようになると、不思議なことにずっと「何かを成し遂げる」ということをしない人になります。
先ほどの「お前はどうせ大した者になれない」という言葉は、親の自信のなさから心が満たされずに、子どもに「追い越されたくない」という衝動で出てくる将来の否定になる言葉です。
この言葉に縛られると、先ほどと同じように自分から幸せやチャンスを手放すような人になります。
普通に進めばいいのに!と思うような場面で、なぜか違う選択をして迷子になりやすくなります。
ちなみに例ですが、私の父親の話です。
私の父親は最終学歴が中学卒業でしたが、「やれば出来る男だった」の一点張りで、自分は勉強する気配などまるでありませんでした。
「勉強をしろ。俺はしたくても出来なかった。」と自分が満たされなかったことを押し付けてきて、じゃあ父親にわからないことを聞こうとすると「調べろ」としか言わず、一度も教えてもらえませんでした。
わからないならわからないと言ってくれればいいだけなのに、子どもには押し付け、自分は何もせず、酔ってはプライドだけ誇示して怒りまくっていました。
挙句の果てには、「母親(祖母)のせい」だと暴れていました。
私は彼が勉強に興味を持つところを一度も見たことがありません。
毒親の否定について詳細はこちらをお読みください。→毒親否定型の影響
お金だけ稼ぎ話も聞かず放置する
毒親の父親に多いのが、「金を稼いでいるのだから」という理由で、他のことは何もしないという人たちです。
このようなタイプは夫婦間でも「自分は外で稼ぐから、妻は家事と育児の責任が全てある」と考えている場合があります。
自分自身が子どもとのコミュニケーションを重ねて来なかったために、子どもとすれ違うのを妻のせいにして怒ったりします。
自分では役割を果たしているつもりかもしれませんが、本来子育ては父親も関係するに決まっています。
子どもとコミュニケーションを取らずに放置している癖に、自分が困ると子どもや妻のせいにする人が割と多いのは日本人の昔からの気質がまだ残っているのでしょう。
また、裕福な家庭で多いのが「お金で解決する」という性質です。
子どもと遊ぶ約束が果たせなかったから、プレゼントを買う、美味しいものを買う。
子どもの授業参観に行けなかったから、お小遣いを上げる、服を買ってあげる。
仕事が忙しいから、とりあえずプレゼントだけは送って、誕生日はすっぽかす。
なんだか子どもが不機嫌だから、子どもにお小遣いとプレゼントで機嫌を取る。
このようなことをしていると、子どもの情緒が育たずに、人の気持ちがわからない大人になります。
世の中で結構事件になっているような裕福な家庭では、「お金で解決して子どもの情緒が踏みにじられている」という面があると思います。
子どもはモノやお金で育たないのです。
逆に事件になるほど「モンスター」のような子どもになる可能性が高いのです。
また、お前にいくらかけていると思っているんだ!などの言葉も深く子どもを傷つけます。
毒親の無関心についての詳細はこちらです。→子どもに無関心な毒親の特徴とは?
すべてを管理し過干渉してくる
過干渉は母親の特権かと思いがちですが、父親の過干渉ももちろんあります。
過干渉は自分が過干渉された場合に子どもに対して同じことをしてしまいます。
また、逆に自分がネグレクト(育児放棄)にあった時にも、「こんな思いをさせたくない」という気持ちから子どもに過干渉になることもあります。
過干渉にも色々ありますが、毒親の父親は情緒的に娘を理想の女性化して過干渉することがあります。
すると、娘は父親の言いなりの人形のようになり、溺愛はされますが感情や意思をはく奪されて苦しむようになります。
また、過干渉は子どものプライバシーを侵害します。
部屋に平気で入ったり物色したり、友人関係や恋人などについても平気で口を出してきます。
また、ありがちなのが門限やスケジュールについてすべて把握しようとするタイプです。
過干渉は子どもの心を抑圧し、いつしか身体化してメンタルの症状があらわれることがあります。
過干渉の毒親の詳細はこちらです。→毒親の過干渉の特徴とは?
気分次第で言うことが変わり安定しない
毒親の父親タイプに多いのが、気分がコロコロ変わり、一定しないという人たちです。
アダルトチルドレンの毒親の父親には依存症の人たちがいます。
アルコール依存症を例にあげると、お酒に酔って親の機嫌や気分がコロコロ変わります。
子どもにとって親の感情が変わりやすいというのは、いつ爆発するかわからない爆弾を抱えているのと同じです。
一週間前に言われたことを忠実にこなしていたら、昨日は「違う!」と怒鳴られ、今日はまたルールが変わっている。
そのようなことが続くと安定した人間関係というものを子どもが学習できません。
人はルールがあると、正解が学べて安心するのですが、毒親の父親が気分屋の場合は、いつも言うことが不安定なのでいつまでも正解がわからず不安です。
すると、結果的に人間不信になったり、コミュニケーションで顔色をうかがったり、生きづらさが増してしまうのです。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
子どもの成長が認められない
毒親の父親の中には子供の成長が認められないというタイプがいます。
子供の成長が認められないというのは、例えば娘であった場合、成長して女性らしくなる時に、変な目で見たり、戸惑いすぎて「気持ち悪い」「可愛くない」などの暴言を吐くような点です。
小さい子どもが成長して大人になるのは、本来喜ばしいことなのに、相手の気持ちがわからない毒親の父親は、平気で自分の感想を述べて子どもを深く傷つけるのです。
実際にカウンセリングの場面でも、幼少期にお父さんに「本当に可愛くない」と言われた女性や、思春期にお父さんにいやらしい目で見られていて不快だったという思いをしている女性がいます。
本来、身内で一番安心できるはずの異性が、このように毒親の父親であった場合、女性の異性に対する見方や結婚観に悪影響を及ぼします。
また、毒親の父親にとって息子だった場合、息子の成長に嫉妬や恐怖を感じてしまい、自分の満たされなかった思いから息子をけなしにかかる人がいます。
否定的な暴言でもお伝えしましたが、「だからお前はダメなんだ」とか「それじゃあ俺には勝てないな」とか「いつまでたってもダメ」などの言葉で息子と競争をしてくるようなことがあるのです。
よくダメ出しをすることで「悔しかったら超えて見ろ」ということがありますが、あんまり良い教育方法とは言えません。
どちらかと言うとそういう場合は、トラウマになったり、卑屈になったり、自己否定に走るような子どもになりがちです。
また、成長することを無意識で否定されると、成長が罪悪感の原因になり、精神的ストレスから摂食障害や自傷行為などに向かう場合もあります。
漫画やアニメのような「頑張れ」という気持ちがある父親なら、その思いも通じる可能性はあるかもせれませんが、あまりお勧めできません。
成長を認めてもらえない子どもは自己否定感が強くなり、いつまでも成長を止めるようなパターンを身につけて、何も成し遂げないような子になってしまいます。
子どもに罪悪感を植え付ける毒親の詳細はこちらです。→毒親が罪悪感を植え付ける?
毒親の父親の影響を克服する方法
毒親の父親の影響を克服するには、物理的にも心理的にも距離を取って離れるという対処法しかありません。
この父親自体が、満たされない思いで心が健全に成長できていないために、子どもに対しての関わり方が大人になれていないのです。
また、毒親は自己愛型の傾向が強く、このような場合は話し合いや説得は無意味です。
親子関係の改善は、自己愛型の場合は相当難しいのです。
自己愛型とは、コミュニケーションが大変難しく、この人たちが誰かに説得されて非を認めることは「ない」と考えた方が良いでしょう。
毒親に自覚させる方法は「ない」のです。
ですから、一人暮らしなどをすることで、自分の身を守り、関わらないようにすることが一番の心の安全に必要な方法なのです。
毒親の父親の影響から抜け出すカウンセリング
毒親の父親から距離をとっても生きづらさが消えない、人間関係が苦しいならカウンセリングが必要です。
子どもの頃からの過去の経験のトラウマや毒親の歪んだ関わりが、あなたの思考や行動パターンを作っています。
パターンを放っておくと、親のような人はいつまでも苦手ですし、なぜか出会いやすくなります。
また、恋愛や結婚にまで問題が響いたり、子育てで親と同じようなことをしてしまう可能性があります。
このようなパターンを変えるには、幼少期の経験を癒していくことが重要です。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
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