毒親が子どもの進路にまで口を出すという問題が増えているようです。
毒親はどうして子供の人生にまで干渉してくるのでしょう?
毒親の過干渉は、時に子どもの自立の経験や、人間関係の構築の経験を奪います。
そして幼少期の毒親の自覚のない過干渉は、子どもに精神的なストレスとして積み重なります。
そして将来的には、子どもが大人になって仕事に就いたり、結婚して自分が子育てをする段階になって、不安や自信のなさ、自己否定感のような「生きづらさへ」となって表れるのです。
- 毒親が進路を勝手に決める理由
- 毒親が勝手に進路を決める例
この記事では、進路にまで口出しをして勝手に決める毒親の理由と、その例がわかります。
目次
毒親が進路を勝手に決める理由
毒親という言葉は、暴力や虐待・過干渉や共依存など、子どもの成長や存在に対して「毒になる影響をもつ親」という意味です。
機能不全家族という環境の中で育った「毒親育ち」の子どもは、毒親によって自分の希望や意向を無視され、考えや価値観を尊重されずに進路を決められがちです。
毒親が進路を勝手に決める理由はいくつかありますが、一番心理的に大きいのは「自己中心的」ということです。
機能不全家族の両親は、子どものことを考えることが出来ない「自己愛型」の親が多く、共依存や過干渉、虐待などを「自覚なし」におこなうことが多いのです。
自分の問題や都合、自分を満たすことばかりを考え、本当の意味で子どもの気持ちを考えられないのです。
結婚にまで反対する毒親の詳細はこちらです。→毒親が結婚に反対する
毒親が進路を勝手に決める例
毒親は自分の見栄や過去に叶えられたなかった夢を、勝手に子どもに託したり、大きすぎる期待を永遠にかけ続けることがあります。
通常のレベルで期待をすることは、子どもにとってもやりがいになるのですが、それは子どもの意思や感情を尊重することとバランスが取れている場合に限ります。
では、毒親が子どものことを考えずに、勝手に進路を決めてしまう例を見てみましょう。
進学に口出しされていた20代女性Aさん
20代女性のAさんは、うつ症状に悩まされカウンセリングを受けに来ました。
彼女は漠然とした生きづらさや、自己肯定感の低さを感じていましたが、原因や理由をいまいち理解できていませんでした。
Aさんは実家住まいで、父親と母親と妹の4人家族でした。
Aさんは、希望の大学に入り、その後は社会人として実家から会社へ通っていました。
困りごとをうかがうと、Aさんは勤め先で会議中に意見を求められても、頭が真っ白になってしまい話せないということでした。
また、定期的に朝礼で当番が回ってくると、時事ネタを話さなければいけないことが苦痛で、睡眠にも影響をしているとのことです。
わたしは、Aさんにご両親との親子関係について悩みはあるか?うかがういました。
母親は「自分のことを親身に考えていて、とても一生懸命だし、なんでもしてくれるので好きです。」とのことでした。
父親は「多少厳しいところはあるが、お金については何不自由なく育てられたし、母と喧嘩している時もあるけれど、存在感はあまり感じないかな。」とのことです。
Aさんから「とても良い両親」と聴きながらも、ふとした時に見える「無表情」や「苦痛」のような感情が、わたしの中にあるパターンを思わせます。
わたしは「間違ってたらごめんなさい。もしかして、お母さんは過干渉気味ですか?」と。
Aさんは子どもの時から、母親に教育について厳しく育てられたそうです。
一方父親は、教育をお母さんにまかせきっていたそうです。
母親に学校の成績や勉強方法について、厳しく言われるのはもちろんのことで、他にも塾や習い事も母親が勝手に決めたそうです。
もちろん「遊ぶ」時間はほぼなかったそうです。
Aさんの母親は、「自分の父母が〇〇大学の出身」だということに誇りを持っていたそうです。
しかし、その母親自体は、その大学に入れずに違う学校へ行ったので「父母をたいそうがっかりさせた」とずっと悔やんでいたそうです。
Aさんに対して、「〇〇大学は素晴らしい。〇〇大学に入ったら、おじいちゃんもおばあちゃんもすごく喜んでくれる。私もあなたがそこに入ったら、あなたを誇りに思う。」と常に言っていたそうです。
そんな中で、実はAさんは、小学生の高学年の時に初めてやりたいことが出来ました。
それは「ダンス」で、当時、お母さんに意を決して相談したことが一度だけあったそうです。
ですが、お母さんは話を聴き入れてくれないばかりか、ヒステリックにわめいたり、怒りをあらわにしたそうで、それが唯一のトラウマだと言います。
それからというもの、お母さんを苦しめてはいけないと思うようになり、「こんなに私のために一生懸命になってるお母さんを裏切れない」とも思うようになりました。
そして、自分がやりたくない習い事も必死で頑張り、高校の成績でも進学校で常に10番以内になって、常にお母さんを喜ばせていたそうです。
そんな中、Aさんは一度入学前に、〇〇大学の「どの学部に進むか」についての相談をお母さんにしたところ、「〇〇大学ならどこでもいいわ」と素っ気なく答えられたそうです。
お母さんは〇〇大学ならどこでもいいんだ、と違和感を持ちながらも、母親を喜ばせることにあまり疑問を持ちませんでした。
そして、受験はめでたく合格し、お母さんもその報告にとても喜んだそうです。
しかし、一度お母さんが祖父母の家から帰ってきたときに、とても悲しそうな顔をしていたそうです。
その時お母さんは、Aさんに見られていることに気が付かずに、「どうして私を褒めてくれないの?」と泣いていたそうです。
Aさんは、話しながら「はっ」と気が付かれました。
「母は自分が褒められたくて私を〇〇大学に行かせようとしたんだ」と。
今思えば、そこら辺からガタガタと体調が崩れ始めたと言います。
わたしはAさんに、「それでもお母さんが好きなんですね」とおうかがいしました。
するとAさんは「嫌いって感情を持ったらいけないと思うんです。あんなに私のために身を削ってまで頑張っている母なんですから。」とおっしゃいました。
このようなパターンは、母親が自分の叶えられなかった夢を娘に託したパターンと言えます。
娘さんは洗脳されているようなものなので、渦中にいる本人はなかなか気づきませんが、毒親に自由意思や感情を抑え込まれてしまったパターンになります。
Aさんのご両親は一見、普通以上に、子どもに対して教育熱心で素晴らしい人のように見えます。
しかし、それは表面上であって、子どもの精神は健全に発達できません。
母親は、自分の満足のために娘に学業と習い事を押し付けて、〇〇大学に入ることを目標にしています。
それも、自分が出来なかったことを子どもにさせて、自分の親(祖父母)から褒められようとしているのです。
母親にとってのAさんは、自分の延長線で自他の分離が出来ていません。
娘がやりたいことを言ったときには、ヒステリックになり、娘の自我の発達をまったく喜べないのです。
その上、娘の自立を否定して、自由な意思と感情表現を奪いました。
その結果として、社会に出て仕事に就いた時に、「自分の意見を言えない」という症状で出てきたのです。
また、「こんな母親を嫌いになってはいけない」という良い子の思い込みをすることで、ますます自分の欲求を閉じ込めて苦しくなっています。
母親ばかりで父親を見逃しがちですが、こんなにも母親が「親に認めてもらいたい」と必死になっているのは、身近な夫が認めてくれていないということもあります。
すべての教育を母親に任せている割には、ねぎらいの言葉も優しいフィードバックもなく、薄い関わりしかしていません。
よく、毒親は片方の責任のように思われがちですが、夫婦そろっての「子どもへの関わり」が問題なのです。
父親が気が付いて、母親の心のケアや、子どもへの対応の見直しが出来ていれば、このようなケースにはならないでしょう。
過干渉の毒親は、子どもの自由意思を抑圧して、人間関係を苦手にしたり、自立を妨げるという例です。
一見、素晴らしい家庭のように見えても、毒親という可能性は多々あることがありますし、大切なのは子どもがどのように受け取り成長しているかなのです。
このような毒親の母親の詳細はこちらになります。→毒親の母親の特徴
就職に口出しされていた20代男性Hさん
20代男性のHさんは、Hさんのお母様とカウンセリングに来ました。
とても穏やかそうなお顔で、Hさんが何を困っているのか正直わかりません。
お話されるのを待っていると、しびれを切らしたお母さんが早口で話しだしました。
次の話は全部、お母様の言葉です。
「この子のはっきりしないこの性格がどうにかならないでしょうか?」
「生まれた時からのろのろしていて、私はせっかちなんで、この子が何を考えているのかわからないんです。」
「特に何をしたいもなく、仕事もしないから親戚のところで仕事をさせたんですが、迷惑をかけているみたいだし、自分で職を探して欲しいんです。」
「趣味だって、一日アニメばっかり見ていないで、外でスポーツとかやって欲しいんですよ。」
わたしは止まらない話に「なるほど」と言い、Hさんにおうかがいします。
「何を困っているのか話せます?」
「うーん。」と言って穏やかな顔で、「特に困っていることはないんです。」
「そうだよねー。」とわたし。
わたしは「じゃあ、やりたいこととかある?仕事してるんだよね?スポーツ?あと、彼女作りたいとか?」
「うーん。」とまた穏やかに「仕事はどう思われてるかわからないけど、叔父さんにやらせてもらってます。趣味はアニメだから…。彼女は考えたことなくて…。」
「そうだよねー。」とわたし。
そして、わたしからお母さんに「お母さんのお話を聴いていて、困っているのはお母さんだと思うんですが、そして、彼の個性の範疇のことはわたしには何もできませんよ?」と。
息子のHさんは、このお母さんから生まれたと思えないくらいに個性が「のんびり屋さん」でした。
いろんなことを疑いましたが、まず、本人が困っていないものは何かする必要はありません。
お母さんは、「自分の思う通りにならない子ども」に対してイライラしているのであって、むしろカウンセリングが必要なのはお母さんです。
たまに毒親の要望でありますが、自分の子どもだから「こうあってほしい」という願い。
本当に困ります。
生まれた個性を尊重せずに、こうあるべきとは「どういうこと?」とびっくりします。
自分の子どもの個性が自分たちの性質と違ったら、お母さんもお父さんもびっくりだとは思います。
が、しかし、そしたらそれを受け止めてあげてください。
子どもは個性以上のことを求められても出来ないし、出来ないことでがっかりされると、自分の存在価値を見失います。
Hさんは、まれにみる穏やかさんでしたので、このお母さんでも平気だとは思います。
ただ、受け入れてもらえない寂しさが、「いつか爆発しないようにね」と祈ってご退出いただきました。
このHさんは、少し特殊なので就職に口を出されても「うーん。」くらいでしたが、普通は先ほどの女性のような苦しみが起きます。
毒親は自分の見栄や、満足を自己中心的に叶えたいだけなので、あなたの本当の気持ちややりがいを考えているわけではありません。
就職したら、この先何年も、仕事をするのは自分です。
やりがいも挫折も、成功も失敗も、すべて糧にして生きていくのは自分です。
ですから、毒親の自己満足の犠牲には、どうぞならないようにお気を付けください。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
勝手な毒親から心理的に抜け出す方法
毒親の支配を受けていると、自分の子どもに同じことをしてしまったり、生きづらさが続いたりします。
毒親は「お前のためだから」「こんなに心配してるのに」などの言葉で巧みに、子どもが反抗しないように策をめぐらせています。
毒親の心理的な絡み具合は、複雑で一筋縄ではいきません。
これらを解決して、幸せな自分の人生を自分の足で歩むためには、心理的に毒親の影響から抜け出す必要があります。
その近道が、NLPの講座やカウンセリングで過去を癒すことです。
幼少期のあなたを守り、育てなおし、毒親からの影響から解放することで、新たな人生は切り開けます。
頭で理解して抜け出すのではなく、心が無意識から実感する方法で、早く解決しますよ。
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
毒親育ちも人生もまるっと好転したいなら↓