NLPではキャリブレーションというテクニックがあり、意味は観察ですが、通常よりも特別な観察の意味になります。
この特別な観察が出来ると、人はすれ違いなくコミュニケーションをすることが出来ます。
このNLPのキャリブレーションというテクニックについてわかりやすく解説していきます。
- キャリブレーションとは?
- キャリブレーションのやり方
この記事では会話において信頼関係を構築する重要なキャリブレーションという心理学NLPのスキルをわかりやすくお伝えいたします。
目次
NLPのキャリブレーションとは?
NLPのキャリブレーションとは、今ここで相手の言語や非言語のメッセージを五感を使って意識的にも無意識的にも観察し、感情や心理状態や身体的な状態の把握など、深い観察をすることが出来る、NLPや心理学における特別な観察スキルのことあり、心理学用語です。
つまり、NLPにおけるキャリブレーションとは、五感を総動員してコミュニケーション相手を観察することと言えます。
NLPでは、通常よりもキャリブレーションに力を置いています。
コミュニケーション相手の言語や非言語(表情や仕草、声のトーンや速さ、大きさ等)を観察することでより良いコミュニケーションや人間関係の構築につなげることが出来るからです。
良い信頼関係のことをNLPや心理学用語では、ラポールと言います。
このラポールが築けると、コミュニケーションがスムーズにいったり、カウンセリングやコーチングにおいては、クライエントの変化を促しやすい状態に導きやすくなるのです。
そのラポール構築のテクニックの一つとして、キャリブレーションがあげられるのです。
ラポール形成のテクニックはキャリブレーションの他にも、ミラーリング、ペーシング、バックトラッキング(オウム返し)、などがあります。
ラポールについて詳細の説明はこちらです。→ラポールとは?
NLPでキャリブレーションをする場合、五感を総動員すると言いましたが、嗅覚、味覚はいったん置いておいて、視覚、聴覚、触覚で解説したいと思います。
視覚を使ったキャリブレーション
心理状態は様々な身体の箇所に表れます。
歩き方、立ち方、座り方、姿勢、目の動き、話し方、表情、肌の色、呼吸の深さなどなど。
NLPではワークやセッションをおこないますが、相手の目線で記憶の配置がわかったり、特定の感情(例えば怖い)の時は特定の場所を眺めたり、特定の人の話をしている時は固まったりするなど、クライエントの示す視覚情報はたくさんあります。
また、ワーク前とワーク中・ワーク後の目線の違い、瞳孔の反応、表情のゆるみ、口角の上がり方、眉の動きや眉間のしわなど、確認することでワークが効いたかどうかも確認することが出来ます。
数日後に再セッションをおこなう時も、無意識レベルで良い変化がある場合は、表情などにとても表れやすいです。
聴覚を使ったキャリブレーション
聴覚的なキャリブレーションの場合は、音や会話に関するものです。
声の大きさやトーン(高低)、リズム(速さ)、お腹からの声か胸からの声か、話す内容、相手の言葉の使い方の特徴、五感の表現方法の優位などがわかります。
また、話し方だけではなく、歩くときの音などでも相手の心理状態を確認するということも出来ます。
聴覚の優れた人であれば、相手の歌や演奏で調子が良い悪いを判別できる人もいるでしょう。
わたしの場合は、電話セッションでも相手の状態に気が付くことが出来ます。
触覚(身体感覚)を使ったキャリブレーション
触覚を使うキャリブレーションというと、しっくりくる人とわからない人がいるかもしれません。
触覚の鋭い人は、相手の雰囲気で状態の確認をすることが出来ます。
また、NLPでトレーニングを重ねていくと、相手のポジションに無心で立った時に、自分の感覚とは別にして相手の感覚を感じることが出来ます。
嫌な気持ちを感じているのは「相手」なのですが、その不快感だけ感じることも出来るのです。
もちろん感情が伴っているのではないので、相手の不快感だけを確認することになります。
不思議に思うかもしれませんが、ミラー・ニューロンが働くので、身体感覚を研ぎ澄ませることが出来れば相手の感覚を感じるのは普通の話です。
ただ、一定のトレーニングが必要なのは言うまでもありません。
ミラー・ニューロンやミラーリングテクニックはこちらで説明しています。→NLPのミラーリングとは?
NLPのキャリブレーションのポイント
キャリブレーションは観察すると同時に、コミュニケーション相手にフィードバックすることとセットになります。
そのため、キャリブレーションには注意する点があります。
人は「差異」にしか気づかない
人は比較対照がない場合、自分の思い込みに左右されます。
初対面の人を想定してみてください。
例えば、悲しいことがあっても微笑む癖がある人の場合、もしもこの人に対して思い込みで接し、「ニコニコして何も悩みなさそうだね。」と言おうものなら、この人は「あなたは理解しない人なんだ」と深く傷つくでしょう。
そうならないようには、どうすればいいのでしょうか?
それは、あなたがコミュニケーション相手に出会った瞬間から相手のことを謙虚に観察することです。
そして、思い込みで決めつけずに言語や非言語を捉えながら、相手の意図をくみ取ろうとキャリブレーションし続けましょう。
おそらく、時間が経つにつれて、様々な情報や最初の印象との差異が埋まり、キャリブレーションの精度が上がるはずです。
数秒前と数分前、そして、あなたと話し始めてから、話し終わったとき、相手の変化を感じることが出来るでしょうか?
人は差異にしか気づくことが出来ません。
あった瞬間に相手のパターンなどわかるはずがないのです。
謙虚に相手を時間経過とともに、キャリブレーションすることで、相手の非言語メッセージにちゃんと気が付き、相手の望む対応をすることが出来ます。
主観的な思い込みを外す
主観的な思い込みは外すに越したことはありません。
NLPでもそうですが、人は早い段階で「あなたってこういうタイプだよね」と言われると「何がわかるの?!」と嫌な気分になりがちです。
人は勝手な思い込みを押し付けられると不快な気分になるのです。
心理学やNLPを学んでいると、人の傾向に対する知識が増えて「タイプ」で人を分けがちですが、それを相手に伝えるのは、あくまでも相手とのコミュニケーションでラポールが取れてからの話です。
一番大切なのはすべての思い込みを外して、相手の非言語からのメッセージをくみ取ることなのです。
無心になる(超上級)
無心になるとキャリブレーションの能力はあがります。
逆にキャリブレーションの触覚バージョンでも話しましたが、雑念があるとキャリブレーションの精度は格段に下がります。
マインドフルネス状態になって「今ここ」にいないと、キャリブレーションは大抵思い込みになります。
頭の中で「あーだこーだ」の分析も良いですが、無心は「意識が鋭い」のではなくあくまで「無心」です。
この違いがわかると直感が働いて、一段上のキャリブレーションが出来るのです。
ちなみに、NLPは分析に優れていると思いがちですが、NLPの実践家としてより大切なのは、分析ではなく無心でパターンに気が付くかどうかが大切です。
なぜなら、NLP創始者の天才セラピストへの最初の試みが、NLPモデリングであり分析ではないのです。
NLPモデリングは無心で無意識レベルで真似をすることなのです。
NLPモデリングの詳細はこちらです。→NLPモデリング
NLPのキャリブレーションを学ぶには?
NLP(神経言語プログラミング)では、キャリブレーションはコミュニケーションの基本としてとても重要なスキルです。
キャリブレーションは、カウンセラーやコーチはもちろんのこと、ビジネスや家族関係等、現在では介護や福祉など、様々な状況で活用することが出来、信頼関係を速やかに構築する可能性をもっています。
ご興味がありましたら、是非取り入れてみていただいてはいかがでしょうか?
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
NLP(神経言語プログラミング)の詳細はこちらです。→NLPとは?
NLP(神経言語プログラミング)はコミュニケーションをより良くすることが出来ます。
以下の記事を合わせてお読みいただくと、相手から好かれるコミュニケーションの知識が得られます。
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