毒親で苦しんでいる人が多くなっていると聞きます。
毒親と言う言葉自体は、スーザン・フォワードというカウンセラーが使いだした「毒になる親」と言う言葉が語源になっています。
この毒親は、子どもからすると苦しみを与える加害者なのですが、被害者ぶって巧妙に子どもの心を蝕み続けることがあります。
この毒親の「被害者ぶる」という行動について、心理的にわかりやすく解説したいと思います。
- 毒親が被害者ぶる理由
- 被害者ぶる毒親のタイプ
- 被害者ぶる毒親から離れて幸せになるには?
この記事では、被害者ぶる毒親の理由・原因と、その毒親のタイプ、毒親の克服方法を解説します。
目次
毒親が被害者ぶる理由とは?
毒親が被害者ぶるのはいくつか理由があります。
まずは、毒親自身が「毒親に育ち」であり、その連鎖の中で心理的に歪んでいる可能性があることを理解しましょう。
では、毒親の歪み方にはどのようなパターンがあるのか?
詳しく見てみたいと思います。
自己中心的な性格
毒親は被害者ぶったり、威圧的だったり表現の強さは違いますが、大きな傾向として自己中心的な性格「自己愛型」の性格であることが多いです。
自己中心的と言うのは、何か不都合なことが起きた時に、自分を責めるのではなく、外に要因を求めます。
自分を責めることを自責傾向、他者を責めることを他責傾向と言いますが、自己中心的な人は他責傾向なのです。
他責傾向の残念なところは、自分自身を反省しない、自分のことを内省しない、自分が変わろうとは思わないので話し合いが出来なかったり、話自体が通じなかったりします。
他責傾向も自責傾向も、心の底では自己肯定感が低いので、その低さのために人間関係で苦労するのですが、他責傾向の人は特に「自分の成長」は放っといて、他者のコントロールを強めようとします。
例えばですが、自責傾向の人は「自分が変わろう」とカウンセリングに来ますが、他責傾向の人は「人をコントロールする方法」の自己啓発を学びに行ってしまいます。
これが、毒親だったらどうなるかと言うと、前者はだんだん居心地が良い人に変化していきますが、後者は「支配」を無意識レベルで強めていくので、より強固に支配力が増します。
結婚にまで口を出す毒親の詳細はこちらです。→毒親が結婚に反対する?
対等の立場というものを学んでいない
毒親の親も毒親である可能性があると、対等の立場というものを学んでいない可能性があります。
子どもは親である父母の関係性を見ながら、人間関係のロールモデルにするのですが、この関係の中にDVや精神的な暴力、共依存などがあると、上下のどちらかに偏った関係性しか見いだせなくなってしまいます。
すると、自分自身も上になって支配するか、下になって服従するかの位置を無意識に求めてしまうのです。
支配をする毒親は、虐待や暴力、暴言などで子どもを威圧します。
服従する毒親は共依存的ですので、子どもの巣立ち・自立を怖がるために「弱者」を演じて子どもにこっそり罪悪感を植え付けて心を縛ります。
支配をしてくるような毒親の父親の特徴の詳細はこちらです。→毒親の父親の特徴
被害者ぶる毒親のタイプ2種類
では、被害者ぶる毒親の支配型と服従型のタイプの違いを解説していきます。
先ほどお話しましたが、2者は違うタイプのように見えて本質は同じ自己愛型です。
実は自分のために行動をしているのが自己愛型なので、子どもの健全なメンタルの成長には「毒」にしかなりません。
いずれにしても、子どもに生きづらさを与えます。
病気アピールや泣き落としの弱者タイプ
服従型は、「嘘をついてまで病気アピール」をする人もいますが、実際に「病気がち」になることも多いです。
この実際に「病気がち」になってしまう心理的な理由として「疾病利得」があげられます。
例えば、「病気になったらその時だけ家族が優しくしてくれた」とか「家族の喧嘩が収まった」などの経験があると、その子どもは「病気」のメリットを無意識で感じてしまうのです。
その無意識で感じたメリットは、「自分が具合が悪い」ことで得られてきたために、大人になっても実際に具合が悪くなる人がいます。
服従タイプは弱者を演じることで、親の責任を自分で放棄し、子供に助けてもらおうとしているとも言えます。
病気アピールをする毒親は、このタイプである可能性があり、意識的でないために「たちは悪い」です。
また、嘘をついてまで病気をアピールしたり、泣き落としをするタイプの人は、意識的にコントロールしようとしている可能性があります。
このようなタイプの言動としては、
「そんなことばかり言うから心配で病気になっているのよ」
「お前のせいでどれだけ心を痛めてると思っているの?」
「本当にあなたのためを思って言っているのにわからないの?」
「あんなお父さんと二人になんかしないわよね」
「お前がいなくなったら、私はどう生きていけばいいのかわからない」
「お前だけが頼りだよ」
「いざとなったら家族しかいないんだよ」
などと言いながら、いかにも弱者のようにふるまい、罪悪感を植え付け、子どもの心を揺さぶりながらも感謝などでわからなくさせてしまう、という傾向があります。
ポイントは、子どもが自立するようなイベント「友人ができる」「恋人ができる」「就職する」「結婚する」などの時に大騒ぎをして過干渉になってくるところです。
服従型の毒親は、子どもの自立が自分を脅かすと感じているので、このようなイベント時に心が発狂しそうになるのです。
就職に口を出す毒親の詳細はこちらです。→毒親が進路を勝手に決める?
マウントを取る支配者タイプ
弱者タイプと反対の行動をするのが、あからさまに子どもに威圧的な態度を取ったり否定して支配するタイプの毒親です。
虐待や暴力はもちろんですが、精神的な虐待や行為も含まれます。
暴力と言うと、直接の肉体的なことを想像しがちですが、物を壊したり大きな音をてたりすることも、実はこの中に含まれます。
このような毒親のタイプは、わかりやすく「優位に立ちたい」だけです。
相手に対して優位に立つということは、相手は自分を評価する立場ではなくなり、自分の身が安全になります。
過度に評価を恐れてしまう自己愛型の毒親は、人からの評価にとても過敏で傷つきやすいのです。
そのため、周囲を可能な限りコントロールすることで、良い評価をする者か、評価の意思を持たない者で固めます。
ペットがその代表です。
ペットは大抵、飼ってくれているご主人に従順です。
そして、評価をせずに、いつまでも愛情を感じさせてくれます。
マウントを取る支配者タイプは、実は子どもを服従させて、自分が安心したいだけなのです。
支配者タイプの毒親の被害者ぶる言動には次のようなものがあります。
「お前にいくらかかっていると思っているんだ」
「私をイライラさせないでくれる?」
「私を落胆させないでくれる?」
「そんな成績で私の子どもだなんて恥ずかしい」
「お前さえいなければ、家族は安泰なのに」
「ここまで育てた恩を忘れたのか?」
などです。
いずれも、自分が子どもを評価する→その評価ががっかりだ→がっかりさせるお前はダメだ。と、自分の気持ちを子どものせいにしています。
本来、自分の感情は自分の感情であり、がっかりしようがしまいが、子どもの行動には関係ありません。
このセリフには「子どもがどう感じるか?」という部分が全く欠けており、毒親はこのような話し方を良くします。
「あなたのため」的なセリフもすべて回りまわって、毒親自身のためなのです。
口が達者なので、子供は罪悪感を植え付けられたり、支配的に脅迫されているにも関わらず、自分を責めてしまい毒親に従順になります。
きょうだい差別をする毒親の詳細はこちらです。→搾取子と愛玩子
毒親が恩着せがましいのは自分のため
つまり、毒親が恩着せがましく被害者ぶるのは、自己肯定感の低さからくる満たされない自己愛を子どもと言う弱者を使って満たそうとしているということなのです。
子どもの意思や感情を否定して、ねじまげ、その結果として自分自身のために利用しているのです。
ただ、一つ譲るとしたら、毒親も機能不全の家庭で育ち、子育ての何たるかなど学んでいないので、子どもに大切なことすらわからないということも言えます。
だからと言って、毒親が生活の中で自然に、子どもに対する悪影響に気が付くのか?という問題があります。
先ほどお伝えしましたが、自分の心を変えようとする「自責タイプ」は自分で反省したり自分を変えようとするので、いずれ毒の要素が抜けますし、そもそも毒要素は少なめです。
しかし、多くの毒親は、もっと搾取するような方法を学んで、自己満足するので、下手するとどんどん悪化します。
それこそ、「こんなに頑張っているのにおかしいのはお前のせいだ!」とか言い出したら大変です。
自己愛の人に気づかせ、変わってもらうというのはそれくらい難しいのです。
子どもの人生に必要なのは、無条件の存在に対する愛情です。
身近な大人である、母親・父親から「存在」を条件なしで認めてもらって、初めて自己肯定感が生まれます。
2種類の支配タイプ、服従タイプの毒親は、子どもに対してこのような大切なことを伝えられません。
すると、子どもたちは成長して大人になっても、仕事や人間関係で生きづらさを感じてしまうのです。
毒親に困るアダルトチルドレンの詳細はこちらです。→アダルトチルドレンとは?
被害者ぶる毒親から離れて幸せになる方法
被害者ぶる毒親からは、まず距離を置きましょう。
いざと言ったときには、毒親は泣き言を言ったり、人のせいにしたり、あなたの心を揺さぶります。
でも、「もうその手には乗らない!」という心構えが必要です。
例えば、具合が悪いのなら、しっかり治してもらい、子供のせいにしないでと伝えましょう。
見切りをつけて離れる
厳しい意見ですが、毒親は結局自分のことしか考えていません。
毒親も確かに人間なので、傷ついたり、悲しくなったり、イライラしたり大変なのかもしれません。
しかし、「子供が親の情緒の責任をとらなければいけない」という考え方が間違っているのです。
むしろ逆で、親が子どもの情緒を安定させる関わりをしなければいけないのです。
そのためには、しっかり見切りをつけて離れましょう。
少しでも関わりを戻すと、あなたも優しいので毒親もそこにつけこんできます。
そうすると、また振り出しに戻ることが多いので気を付けましょう。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
講座やカウンセリングを受ける
ご自身が毒親から生きづらさを受けていると思ったら、過去を癒すことが必要です。
子供は親の行動パターンや思考パターンから学んでいるために、嫌なのに無意識に親と同じパターンを繰り返すということもあります。
そうすると、大切なパートナーとの関係や子育てに響いてくることが多々あります。
NLPは過去を癒すことで、人生のパターンを変えることが出来ます。
毒親とのトラウマなども解消できて、生きづらさを解消することも出来ます。
より良い幸せな人生を歩むために、講座やカウンセリングを一度受けてみてはいかがでしょうか?
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。
毒親育ちも人生もまるっと好転したいなら↓