人は相手に理解されたいと思っています。
そして、自分の会話における「話し方」に合わせてくれる人を無意識に「理解してくれる人」と感じます。
相手に対して「あなたに合わせているよ」というメッセージを無意識レベルで伝え、安心感と親近感を与えるコミュニケーションテクニックにペーシングがあります。
このペーシングというテクニックについてわかりやすく解説していきます。
- ペーシングとは?
- ペーシングの目的とは??
- ペーシングでコミュニケーション相手とラポールを築く方法
この記事では人間関係を構築する重要なペーシングという心理学のスキルをわかりやすくお伝えいたします。
目次
NLPのペーシングとは?
ペーシング(pacing)とは、歩調を合わせることの意味で、会話において、相手の話のスピード、声の大きさ、声の高さ(トーン)、などの非言語表現を相手側に寄せていくことで、相手の無意識レベルに安心感を生み出し、その後のコミュニケーションをスムーズにしていくスキルです。
ペーシングは心理学用語で、カウンセリングやコーチングの現場で使われていたものですが、効果が認められ、現在では広くビジネスや医療や福祉、介護や保育の現場でも使われるスキルになっています。
ペーシングは、話しやすい雰囲気を作るとともに、信頼関係を構築しやすくするコミュニケーションスキルの一つなのです。
ペーシングの目的:ラポールの構築
ペーシングの目的はラポールの構築です。
ラポールはフランス語で「関係性」を意味する言葉ですが、心理学用語では「良好な信頼関係を結んでいる状態」の意味で使われます。
ペーシングをすることで、相手の無意識レベルに安心感を伝えて、警戒心を取り去り、その後のコミュニケーションにおいてスムーズなやり取りが出来ます。
ラポールについて詳細はこちらです。→ラポールとは?
ペーシングの方法
ペーシングの方法には「話し方」を合わせるというものが一つあります。
ですが、せっかくなのでもう少し深く掘り下げてペーシングの幅を広げると、さらに深く学べるとともに、スムーズな自然なコミュニケーションが図れると思います。
話し方を合わせる
まず、第一に話し方を合わせるというのは、話のスピード、声の大きさ、声質、抑揚、声のトーン(高低)、感情表現、リズム、語尾などがあります。
また、相手の呼吸のタイミングやペースを観察して、呼吸を合わせたり、うなづきや相槌をいれて、話し方を合わせることが出来ます。
VAKタイプを合わせる:優位体系のマッチング(優先表出体系のマッチング)
NLP(神経言語プログラミング)では、人それぞれコミュニケーション時に五感の偏りがあると習います。
この偏りやその時の相手の瞬間的な偏りに合わせることで、コミュニケーションはスムーズに進みやすいのです。
五感とは、視覚・聴覚・触覚・(味覚・嗅覚)です。
そのうちの視覚タイプ(Visual)・聴覚タイプ(Auditory)・触覚タイプ(Kinesthetic)の3つに人を分けて頭文字を取り、VAKのタイプ分けが出来ています。
NLPではこの偏りの区別は、目線や話のスピード、話し言葉の中に表れると考えています。
ミラーリング:身体表現を合わせる方法
ミラーリングは、主に相手の動作や姿勢・しぐさや表情などの身体的な部分を真似ることで、相手に対して安心感を伝え、コミュニケーションをスムーズにするテクニックです。
ペーシングを大きく捉え、このミラーリングをペーシングに含まれると考えると理解しやすいかもしれません。
ミラーリングはペーシングの一部だと考えるのです。
ミラーリングについてはこちらで詳しく説明しています。→ミラーリングとは?
バックトラッキング:言語表現を合わせる方法
バックトラッキングとは、相手の言葉をそのまま繰り返して用いる方法です。
バックトラッキングはオウム返しとも呼ばれます。
バックトラッキングとは、相手の言葉を自分の理解で変えずに「そのままを大切に返す」方法です。
良く相手の言葉を変えて話す人もいますが、良好なコミュニケーションを目指すのなら、相手の使った言葉をそのまま使うことをお勧めします。
わかりやすく説明すると、次のような会話です。
えびちゃん
わたしケーキが大好きなんだぁ。
そっかえびちゃんはスイーツ好きなんだねぇ!
うにちゃん
えびちゃん
(そうは言ってないよー)う、うん。
このうにちゃんの返事のように、自分の想像の範囲で話してしまうことが、だいたい普通なのですが、これをあえて「ケーキが好きなんだねぇ」と返すのがバックトラッキング(オウム返し)なのです。
こうすることで、相手の世界観を壊すことなく「あなたを受け入れて尊重してますよ」といメッセージが伝わります。
バックトラッキングの詳細についてはこちらです。→バックトラッキング(オウム返し)とは?
キャリブレーション:相手に合わせるには観察から
キャリブレーションとは、基本は「観察」という意味です。
観察というと、私たちは良く「見る」ことに重点を置きがちですね。
ただ、この観察は奥が深くて、視覚的なものだけではなく、聴覚的なものや触覚的なものも合わせて無意識レベルで観察することが含まれます。
また、言語と非言語のズレを観察することもでき、感情的に混乱している相手に対して、フィードバックすることで相手が新たな気づきを得ることもあります。
キャリブレーションについて詳しい説明はこちらでしています。→キャリブレーションとは?
いかがでしょうか?
相手の話し方に合わせるペーシングを身につけると、コミュニケーション相手に安心感と親近感を与えて、その後のコミュニケーションがとてもスムーズになります。
是非、仕事や家庭内で有効活用していただきたいと思います。
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
NLP(神経言語プログラミング)の詳細はこちらです。→NLPとは?
NLP(神経言語プログラミング)はコミュニケーションをより良くすることが出来ます。
以下の記事を合わせてお読みいただくと、相手から好かれるコミュニケーションの知識が得られます。
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