人はコミュニケーション相手に理解されたいと思っています。
相手に対して「あなたの話を聴いていますよ」というメッセージを無意識レベルで伝え、安心感と親近感を与えるコミュニケーションテクニックにバックトラッキング(オウム返し)があります。
このバックトラッキング(オウム返し)というテクニックについてわかりやすく解説していきます。
- バックトラッキング(オウム返し)とは?
- バックトラッキングの心理学的な意味や効果は?
- バックトラッキングの例は?
この記事では会話においてを信頼関係を構築する重要なバックトラッキング(オウム返し)という心理学のスキルをわかりやすくお伝えいたします。
目次
NLPのバックトラッキング(オウム返し)とは?
バックトラッキング(オウム返し)とは、カウンセリングやコーチングの場面で使われるテクニックで、会話において相手の言った言葉(キーワード)を、必要以上に変えずにそのまま繰り返して言い返す方法になります。
日本語でオウム返しは「そっくりそのまま言葉を返す」ような意味になりますね。
オウムを代表とした鳥たちが、覚えた言葉を何も考えずに言い返す場面が思い浮かぶのではありませんか。
でも、鳥のように返事を返されても、コミュニケーション相手は嬉しくないですよね。
バックトラッキングには、簡単なようで奥深い意味とやり方があるのです。
NLPのバックトラッキング(オウム返し)の心理学的意味
バックトラッキング(オウム返し)には、しっかりと心理学的な意味と目的があります。
バックトラッキング(オウム返し)の心理学的な意味は、良好な信頼関係を築くという目的になります。
バックトラッキング(オウム返し)は、主にカウンセリングの会話の際に、カウンセラーがクライアントに対して、良好な信頼関係を築くために用いる心理学用語なのです。
この良好な信頼関係のことをラポールという言葉で表します。
ラポールについて詳細はこちらです。→ラポールとは?
バックトラッキング(オウム返し)の心理学的効果
バックトラッキング(オウム返し)の心理学的効果は次の通りです。
バックトラッキング(オウム返し)をしていると、コミュニケーション相手は、自分が話したことについてもう一度自分の耳の中に入れることになります。
これがメタ認知的な役割にもなり、話すことでの感情表現による昇華とあいまって、冷静になりながら自分を見つめなおす段階に進めるのです。
また、聴き手側がバックトラッキング(オウム返し)をすると、相手に「傾聴している」という姿勢と、肯定され受容されているという安心感が生まれ、話しているだけでも心が軽くなるということもあります。
カウンセリングという事例をあげましたが、ビジネスなどでもクレーム対応に活かすと、相手の感情が早い段階で昇華され、逆に「聴いてくれてありがとう」なんてこともあるかもしれません。
ラポールを築く方法として、NLPでは、キャリブレーションやミラーリング、ペーシングなどのスキルがあります。
合わせて学ぶとより有効なコミュニケーション手段となりますよ。
NLPのバックトラッキング(オウム返し)のポイント
バックトラッキング(オウム返し)のポイントを挙げます。
まず、バックトラッキングは、まったく同じ内容の「文章」を一字一句間違わずに使うという意味ではありません。
「文章」を一字一句同じにすると、「え…?この人何?」となってしまい、違和感が起きます。
多くの人が間違うのですが、バックトラッキングとはそういうことではありません。
ただ、キーワードを変えたり、勝手なこちら側の解釈をいれるのは避けた方が良いです。
なぜなら、キーワードには話している側の「大切な背景の意図」が大きく乗っかっているのです。
このキーワードを使えるかどうか?というところで、聴き手の腕の違いが出てきてしまうのが、バックトラッキングの怖さです。
むしろ、バックトラッキングが下手で、いつも相手に変な顔をされるという人は、普通の今までのコミュニケーションにいったん戻してみてください。
おそらく、その方が違和感ない場合もありますし、「私普段からやってるのね」という気付きにもなるかもしれません。
バックトラッキングのポイント
バックトラッキングのポイントは3つです。
以下の部分をバックトラッキング(オウム返し)すると、大きく外れることはありません。
相手の感情を返す
感情はキーワードですね。「辛かったんです。」「そうですか。辛かったんですね。」となれば、相手には「この人は理解してくれるんだ。」という信頼関係が生まれます。
話の内容の事実を返す
話の内容の事実を返すというのは、「ちょっとどういう意味?」となるかもしれませんね。
よくあることですが、NLPでは英語を直訳しすぎている節があります。
「話の内容の事実」を返すというのは、「相手の話は相手の世界観なので、そのまま大切に相手にとっての事実として扱い、尊重してそのままバックトラッキングで返しましょう。」という意図です。
これは事実か?あれは事実か?解釈じゃないのか?とか考えなくていいのです。
逆に「事実確認」を早い段階で切り込むと、あなたは話を聴いてくれない人になります。
奥さんが「話をただ聴いてもらいたい」のにご主人が「解決策を言い出す」ような大失敗がこういうことです。
事実かどうかは置いておいて、相手が「こう思ったの」に対しては「そう思ったんだね」というバックトラッキング(オウム返し)が良好なコミュニケーションを生み出します。
意図をくみ取るということですね。
話の要約を返す
話の要約をして返すことも、あなたが話をよく聴いてくれていることのメッセージになります。
要約のことをパラフレーズとも言います。
要約は、話が長い時に間に少しずつ挟んだり、話の最後にまとめとして、返したりすることが出来ます。
話し手が必ずしも話がまとまっていない時でも、会話の中でまとめてあげることで、信頼関係が構築されます。
NLPのバックトラッキング(オウム返し)の例
バックトラッキングの例を挙げます。
上のポイントをきちんと理解して、キーワードを含め、感情や相手の話をそのまま返す例になります。
その時、あなたの感想は「置いておいて」というのがポイントです。
えびちゃん
あのね。昨日うちのママが玄関で掃除しているときにつまづいて、尻もちついて転んだの。私がリビングにいたら突然「きゃー」とか聞こえて、すごくびっくりしたんだ。
うんうん。突然「きゃー」とか聞こえてびっくりしたんだね。
うにちゃん
えびちゃん
そうなの。すぐかけつけてママに「大丈夫?」って聞いて、立ち上がらせたんだけど、「痛いとこはないみたい」って言ってたから、とりあえず、ほっとしたの。
そっかぁ。痛いとこはないみたいで、ほっとしたんだねぇ。
うにちゃん
えびちゃん
うん。本当によかったよ。ケーキ食べようとしてたから、病院行って食べられなくなったらどうしようって思ったもん。
そっかぁ。ケーキ食べられなかったらどうしようって思ったんだねぇ・・・・・。(そういう話?笑)
うにちゃん
かにまろ
このあと、要約するなら「つまり、えびちゃんはお母さんが玄関で転んだけど、とりあえずなんともなくて、ケーキも食べられてほっとしたってことかな?」と聞くことが出来ます。
いかがでしょうか?
バックトラッキングは、簡単なようで奥が深いラポール構築のスキルです。
上手に活用することで、コミュニケーション相手との信頼関係が築きやすくなりますよ。
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
NLP(神経言語プログラミング)の詳細はこちらです。→NLPとは?
NLP(神経言語プログラミング)はコミュニケーションをより良くすることが出来ます。
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