NLPではアンカリングというテクニックがあります。
このテクニックを身につけると、自分の引き出したい特定の気持ちや生理的な状態を簡単に再現することが出来ます。
例えばいつでもどこでも「やる気スイッチ」オン!のようなイメージです。
このNLPのアンカリングについて解説したいと思います
- アンカリングとは?
- アンカリングの効果と例をご紹介
- アンカリングの方法
- NLPのアンカリングとバイアスの「アンカリング効果」の違い
この記事では意図的に気持ちをマネジメントすることが出来る、NLPのアンカリングについてわかりやすく解説いたします。
目次
NLPのアンカリングとは?
NLP(神経言語プログラミング)のアンカリングとは、五感の刺激(トリガー)によって、あらかじめ決まっている感情や感覚などの生理的反応(アンカー)が作動する仕組みのことを言います。
アンカーの意味は船の錨で、錨をおろしながらもある程度の範囲を船は動くのですが、その船の範囲はほぼ固定されているイメージです。
ある感情や感覚、生理的な反応もこのアンカーの幅の中で再現されるのです。
例えば、大好きな食べ物を思い浮かべてください。ケーキとか?
そうすると、「食べたい」は変わらなくても感動の幅があると思います。
・ものすごく食べたい!よだれがだらだら ⇔ 今はそうでもないけど、美味しそう
先ほどの錨は「食べたい」という気持ち、船は「食べたい度合いの幅で動く」という意味です。
この仕組みをNLPではスキルとして使うことで、ピークパフォーマンスをいつでも必要な場面で再現し能力を発揮できるようにしたり、緊張状態の場面で平常心を再現することで落ち着きを取り戻したりすることを可能にしています。
この仕組みは、心理学での条件付けの仕組みを使っっており、過去の体験した記憶の中からリソースフルな感情や感覚をいつでも引き出し活用できるテクニックになります。
NLPのアンカリングの効果
アンカリングという仕組み自体は、実はいつでも日常的に起こっています。
美味しいものを食べたらおいしいと記憶され、その映像を思い出したらよだれが出ますよね。
それが、そもそもアンカリングの仕組みです。
ただ、NLPでは「意図的に効果を引き出すことが出来る」点で非常に優れています。
効果の例1:ピークパフォーマンスを発揮する
アンカリングの例では、日本の野球選手で有名なイチロー選手のルーチンがわかりやすいです。
イチロー選手は、バッターボックスにはいって、常に一連の同じポーズやジェスチャー、動作を繰り返すことで、打者としてのピークパフォーマンスを試合で発揮しようしています。
他にも、試合前に同じ音楽を聴いて、気持ちを盛り上げる格闘家の方やスポーツ選手の方は多いようです。
また、サッカー選手がコートに入る前に同じアクションをしたりすることもあげられます。
みな、それぞれピークパフォーマンスを試合中に発揮するためにルーチンの一連の動作やポーズ、ジェスチャーを繰り返しています。
効果の例2:平常心を取り戻す
アンカリングは「ポジティブな状態」を再現するために使えるので、ピークパフォーマンスだけでなく、様々な感情や生理的反応を選択できます。
わたしは福祉関係で精神障碍者の方にアンカリングをお伝えするときには、平常心やリラックス状態をおススメしています。
うつ病などの気分障害圏の方は、上りもせず下がりもせずというマインドフルな状態を日々作った方が、長い目で見て元気になりやすいのです。
そのために、リラックスや平常心、落ち着きのアンカリングを作っていただいています。
平常心のアンカリングは、プレゼンや面接などの前に設定することで、いざというときに使うことも出来ます。
効果の例3:やる気スイッチを作る
日々の仕事や勉強など、やらなければいけないのにやりたくない…行動したいのに出来ない…という時がありますよね。
そのような時は、やる気スイッチを入れれば大丈夫です。
といっても、アンカリングで作っておかなければいけないのですが。
このやる気をアンカリングできれば、どうしてもやらなければいけない時に、自然とやる気が出て仕事や勉強を片付けることが出来ます。
効果の例4:その他
アンカリングはポジティブな気持ち・気分をいつでもどんな状況でも引き出せる技術なので、どんな気持でも引き出すことは可能です。
過去のあなたが経験している記憶に限りますが、人生のどの場面で経験していても、NLPのワークでアンカリングしてしまえば、身体の動作や言葉を使うことで、当時の気持ちを簡単に引き出せます。
例えば、自信・勇気・元気・落ち着き・冷静・活気・喜びなどなどです。
NLPのアンカリングの方法
この記事で説明しているアンカリングは、正式なワーク名としてはリソース・アンカリング(リソース・アンカー)と言います。
過去のポジティブな体験にある気持ちや気分・生理的状態を、何かの動作や言葉などと結びつけて、スイッチにする方法です。
このスイッチが出来てしまえば、いつでもどんな時でも、あなたはその気持ちや気分・生理状態にアクセスできるのです。
そのプロセスを手短に説明したいと思います。
1:引き出したい気持ちを決めます
これから先、どのような気持ちにアクセスしたいか決めます。
この気持ちは純粋な気持ちが良いです。
何かネガティブな問題が混じっている場面は避けましょう。
そして、その気持ちを感じている過去の場面を思い出しましょう。
その時は、しっかりと思い出すために記憶を鮮明にすることがとても重要です。
視覚で何が見えるか、聴覚で何が聞こえるか、触覚で何を感じるか、丁寧に当時の記憶を観察して確認しましょう。
そして、鮮明に思い出してくると、その時の感情や生理的反応のピークが時間とともに訪れます。
その直前に「何かの特定の動作」と結びつけるのです。
2:何か特定の動作を決める
ある「動作」をすると、例えば「やる気スイッチ」が入る、という結果にしたいので、まずは「何か特定の動作」を決めましょう。
自然とスイッチが入ってしまうような動作は、オススメしません。
あなたの癖と結び付けたり、頻繁に触る場所だと、知らないうちにスイッチが入ってしまいます。
例えば、右利きの人なら、反対の「左手の親指と薬指でわっかを作る」などが良いです。
誰にもばれないけど、やりやすくて、勝手には入らないスイッチが望ましいです。
3:ピークの状態と動作を結びつける
1に戻って、気持ちの盛り上がりに合わせて、決めた動作を何度もおこないます。
気持ちのピークで例えば先ほどの「わっか」を作り、気持ちが下がったら離します。
そして、ブレイク(深呼吸や体をゆすり一回リセットする)します。
これを何度か繰り返して、スイッチを押したら自然と、気持ちにアクセスできるようになれば、アンカリングの成功です。
あとは、実際に必要な場面で、アンカリングされた動作をして、気持ちを引き出してみましょう。
心理学のアンカリング効果とは?
心理学のアンカリング効果というものが、NLPのアンカリングとは別にあります。
主にマーケティングなどで使われる手法になります。
これは、私たちが必ず引きずられる心理のバイアスの一つです。
例えば、「ガンジーが亡くなったのは、114歳以上だったか?」と聞かれた場合と、「ガンジーが亡くなったのは、35歳以上だったか?」と聞かれた場合、前者の質問に答える方が圧倒的に高い年齢を答えてしまうというものです。
アンカーとなる数字が前者では114、後者では35ですので、私たちは勝手にこの数字に左右されて答えてしまいます。
結果として、前者の答えが後者の答えよりも高い年齢になってしまうのです。
何を言ってるかというと、全く関係のない数字を提示されても、私たちはその後の判断において、提示された数字に影響を受けてしまうということが科学的にわかっているということです。
この効果のことが「アンカリング効果」または「係留効果」と呼ばれ、私たちは未知の数字を見積もる前に、何らかの特定の数値を示されると、この効果が起きます。
マーケティングで使われるので、お値段の設定とかに使われているんですよ。
ということで、NLPのアンカリングとバイアスのアンカリング効果は別ものなのです。
ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか?』(早川書房 2014/6/25)
いかがでしょうか?
アンカリングを身につけると、いつでもどこでもやる気スイッチ!のようなことが出来ます。
是非、学んでみてはいかがでしょうか?
NLP(神経言語プログラミング)は人生を豊かにして充実させる方法なのです。
NLP(神経言語プログラミング)の詳細はこちらです。→NLPとは?
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