毒親の中には、良かれと思って(もしくはわからず)に子どもに過度な関わりをする過干渉タイプの親がいます。
毒親の過干渉は、実際は行動すべてが親の自己満足であり、子どもにとっては大きなストレスな上に、人格形成にひどくマイナスの影響をもたらします。
過干渉は一見大きな愛情のようにも勘違いされますが、子どもの存在の根底を揺るがす危ういかかわり方です。
- 毒親タイプ:過干渉型とは?
- 毒親の過干渉の具体例
- 毒親の過干渉を克服するには?
この記事では、毒親の過干渉の特徴、その具体例と過干渉をされないための方法、対処法をお伝えします。
目次
毒親タイプ:過干渉型とは?
毒親タイプの過干渉型とは、子どものためと言いながらも、自分の見栄や世間体、理想など「自分の欲求」を満たそうと子どもの行動や身なり、習い事や学校、友人関係、恋愛や結婚まで、なんでもかんでも口を挟み干渉してくるタイプのことです。
毒親は子どもの意見や話に耳を傾けず、子どもの思いや気持ちに寄り添わず、そのくせに自分の欲求を満たすために子どものすべてを把握しようしたり、行動や選択に対して口を出してきます。
子どもを監視において、プライバシーをなくし、上のようにすべてに口を出してきます。
過干渉はしている側の欲求は満たしますが、されている側は常に監視され、先回りされ、必要でないものを勝手に与えられているために、本当に望んでいることを満たされはしません。
毒親の過干渉の行為の根底にあるのは心配や不安なので、子どもにもそれらが伝わりる上に、子ども自身の意思や感情表現を尊重されないので、どんどん心が抑圧されて傷つけられていきます。
過干渉とは?
過干渉という言葉は、そもそも親子関係において、保護者である親が子どもに対して限度を超えて干渉するという意味で使われています。
過干渉と過保護の違いは、過干渉は親のしたいことであり、過保護は子どものしたいことという差があります。
主に「子育て」で問題となるのは過干渉です。
簡単に言うと、過干渉は例え親が愛情だと思っていても、子どもの人生・人格・人間関係等をダメにする原因になるくらい悪影響があります。
子どもに対する過度な干渉は、親が主体になっているので、子どもの自由な意思や感情表現・自我の成長を邪魔してしまう可能性が大きいのです。
さらに毒親は何事も先回りしてしまうので、子どもが選択する行為を奪ってしまい、失敗や挫折の経験をも奪ったりします。
すると、そこから這い上がる経験が出来ないために、挫折や失敗に対して過度な不安や恐怖を感じる子になります。
そのため、怯えて挑戦しない子になったり、一度でも挫折や失敗をすると立ち上がれない子になります。
自信をもって自分で考え行動することのできない子、自立できない子にしてしまいます。
また、過干渉はされている子ども側にとっては、自分の意思を全否定されていることになります。
そのため、自分の意思ではないという感覚はあり、責任を他者になすりつける子にもなります。
さらに毒親の場合は、もっと行き過ぎているので、メンタル不調や心身の症状にまで表れてしまいます。
- 自由な意思・感情を表現しない(抑圧→うつ症状など)
- 自我の成長を阻害する(自分が何者かという感覚がない)
- 挑戦を恐れる
- 失敗や挫折を恐れる
- 失敗や挫折から這い上がれない(心が折れやすい→うつ症状など)
- 自分で考えられない、意見を求められると困る
- 自己否定感が強い、自己肯定感が低い
- 他者に責任をなすりつける
- 人間関係が構築できない
次に毒親の過干渉の特徴の例を挙げます。
1:プライバシー侵害をする毒親
子どもというのは成長するにつれて、徐々に親から離れていくことが必要です。
母親にべったりだった赤ちゃんが、少しずつ歩き出し、近所の子どもたちと遊び、思春期や反抗期になり…、という流れは普通なのです。
そうやって子どもは大人になって、徐々に家族という小さい集団から社会へ出ていく準備をしているのです。
しかし、親が毒親の場合は、毒親自身の安心のために子どもをいつまでも支配しようとします。
その一つがプライバシー侵害です。
子どもと言えど、大きくなるにつれて自分だけの秘密やプライベートな空間は必要になってきます。
それを尊重せずに、勝手に部屋にはいったり、思春期になってもノックをしなかったり、部屋を物色する毒親がいます。
毒親は子どもをいつまでも支配したいので、子供がいくつになってもやめようとしません。
そして、子どもから大人への成長や、自立の気配をとても嫌がります。
下着をいつまでも買ってあげる母親などは良い例でしょう。
毒親がプライバシーを侵害してくる詳細はこちらです。→毒親のプライバシー侵害
2:進路を勝手に決める毒親
毒親の中には、子どもの進路や習い事などを勝手に決める人がいます。
これらも、子どもの時に自分がやりたかったことや、自分が叶えられなかったことを子どもに託して押し付けていると言えます。
もしも、本当に子どもの意思を尊重したうえで、子どもが自分自身で選んだのなら、それは喜ばしいことです。
問題なのは、親が勝手に決めたり、子どもが親の顔色をうかがいながら進路をや習い事を決める場合です。
この場合は、子どもの本心で決めているわけではなく、子どもは「親を喜ばせたい」という意図で決めています。
毒親育ちで多いのが、親のために行動しすぎて、自分の気持ちや意思がわからないという人たちです。
毒親は自分の自己満足や見栄で決めているので、あとで後悔するのは子ども自身なのです。
毒親が進路に口を出す詳細についてはこちらです。→毒親が進路を勝手に決める!?
3:被害者ぶる毒親
過干渉の毒親の特徴の一つに被害者ぶるというものがあります。
毒親の最大の困ったことは、本気で子どものためにしているつもりだという点です。
そのために、毒親自身は子どもにとっての加害者としての意識がまったくありません。
むしろ正当なことを言う子どもに対して、自分のことを裏切ったり、恩を忘れたひどい子どものように扱います。
「こんなにお前のことを想っているのに、この裏切り者!」のようなことを本気で言いながら、泣いたりわめいたりします。
被害者ぶる毒親の詳細についてはこちらです。→毒親が被害者ぶる理由とは?
4:結婚に反対する毒親
毒親の中には人生の最大イベント結婚にまで口を出す人がいます。
婚活や結婚相談所などでも、どうやらこのような毒親が暗躍しているようで、最終的に破談にまで追い込むようなのです。
だいたい、「親が結婚相談所にまで一緒に行く」という時点で、わたしにはわかりかねるのですが。
おかげさまで、毒親が一緒に来るような人は年齢が高めなようですね。
毒親自身が破談に追い込むように仕向けているとしか思えません。
上でもお伝えしましたが、毒親が無意識に恐れているのは子どもの「自立」です。
自立は毒親の存在理由を揺るがすので、必死になって避けようとするのです。
結婚にまで反対する毒親の詳細はこちらです。→毒親が結婚に反対する!
5:自覚なしの毒親
過干渉の毒親は困ったことに自覚がありません。
自覚とは「自分のしていることに気が付いている」という意味の言葉です。
すると毒親の場合は、「自分のしていることが及ぼす子どもへの悪影響に気が付いていない」と言えます。
先ほどもお話しましたが、毒親は本気で子どものためにやっている場合が多いです。
ですが、この本気が「自分のため」ということに気が付かないので、致命的に困るのです。
本人が良かれと思っているうえに、人の話に耳を傾けられないので、自分への反対意見は無意識レベルで避けます。
すると、改善する余地がまったくありません。
自覚のない毒親の詳細についてはこちらです。→毒親の自覚なしの行動とは?
6:謝らない毒親
毒親は謝りません。
自覚がないので、自分が悪いと少しも思えないのです。
むしろ自分は真剣に取り組んでいるので手に負えません。
子どもに対しても、マウントを取りたいため、対等に扱うということはなく、常に優位な立場を守ろうとします。
実は自己肯定感が低くいからこその、このような振る舞いなのですが、毒親はそこにも気が付きたくないので大変なのです。
いつか謝るかもという淡い期待も、だいたいの予測を超えて叶うことがありません。
謝らない毒親の詳細はこちらです。→毒親はなぜ謝らないのか?
7:罪悪感を植え付ける毒親
過干渉の毒親は過干渉という支配を続けたいので、子どもに罪悪感を植え付けます。
罪悪感を植え付けられた子どもは、親に対しての反抗を感じるたびに、自分を責めることになります。
そして、自分を責めながらも、その感情のはけ口がないために、心身に症状としてあらわれたりすることがあります。
例えば、摂食障害や自傷行為もその一つの場合があります。
この場合も毒親は罪悪感を植え付けているとは思っていないので曲者です。
自分の関わりが子どもを苦しめているということが、まったく理解できないのです。
子どもに罪悪感を植え付ける毒親の詳細はこちらです。→毒親が罪悪感を植え付ける?
毒親タイプ:過干渉型は気づかれにくい
毒親タイプの過干渉型は、なかなか気が付かれにくいという点があります。
なぜなら、子どもは生まれた時から親と接し、他の家庭との比較が出来ません。
そして、過干渉や共依存は「見えない機能不全」と言われるように、毒親の愛情という影に隠れてしまいがちなのです。
毒親育ちの子どもが過干渉型で苦しむ結果
毒親育ちの子どもたちが、自分の苦しみに気が付くのは年齢的には遅い可能性があります。
例えば次のような子供の状態で「何かある」と気が付かれることが多いですが、親の過干渉が原因と気が付くのは遅れることが多いのです。
- 引きこもり、不登校
- 家庭内暴力
- 摂食障害、自傷行為
- 身体症状(肩こり、腹痛、頭痛等)
- 緊張感や不安
多くあるのが、裕福な家庭で育っているにも関わらず、子どもが生きづらさを抱えているような場合です。
子ども本人も「愛されている」ということを理解しているために、より一層何が起きているのかわからないままに、「メンタルが弱い子」というレッテルを貼られ、余計に過干渉されるという負のループが起きます。
このことが余計に、子どもの自立や自信を奪うことになり、どんどん症状を悪化させていきます。
過干渉型の子どもは良い子か悪い子か存在を消す
毒親タイプの過干渉型の子どもの症状や行動を見ていただきましたが、あれらは「子どもの感情や意思を長い間無視して抑圧した結果」です。
大抵の子どもたちは、無意識レベルで抑圧に耐えられずに、身体化したりメンタルダウンをしてしまうのです。
また、過干渉型の毒親の子どもは、毒親への無意識の対処として3つのパターンになることが考えられます。
毒親育ちの詳細はこちらです。→毒親育ちの特徴とは?
良い子になって自分を守る子ども
一つ目は、そのまま良い子を貫いて、感情と意思を奪われたまま我慢していくタイプです。
良い子でいるメリットは、自分で考えない気楽さや、愛され続けているという、部分的な安心感と言えます。
ですが、自立して大人になるという行為からはほど遠いために、社会に出てからの人間関係でより一層苦労することが多いです。
アダルトチルドレンでは、プリンス(プリンセス)タイプ(人形・優等生)がこれらに当てはまります。
彼らはいざという時に自分で考えることが出来ずに、責任を取りたがりません。
プリンス(プリンセス)タイプの詳細はこちらです。→アダルトチルドレン:プリンス(プリンセス)とは?
悪い子になって自分を守る子ども
二つ目は、悪い子になって毒親の支配から抜け出してしまうとい対処です。
悪い子でいるメリットは、毒親からの解放という点ですが、親の反撃というデメリットもあります。
兄弟姉妹の場合は、きょうだい差別が生まれるようになったりしますし、自分が満たされない親が一転して攻撃に回ることもあります。
このような子どものタイプは、アダルトチルドレンではスケープゴートに当てはまります。
スケープゴートは非行に走るようなタイプだけではなく、身体化して弱者になる子どもも含まれます。
スケープゴートの詳細はこちらです。→アダルトチルドレン:スケープゴートとは?
存在を消して自分を守る子ども
三つめは、過干渉を避けるために存在感を消して無反応になり、親との関係を極力断とうとする子供です。
身近な親が脅威のために、人間すべてが脅威を感じてしまい、学校や社会でも人と関係を持たなくなるようなタイプです。
メリットは親の干渉から抜けられることですが、デメリットは人間関係の構築が苦手になることです。
このようなタイプは、アダルトチルドレンではロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)のタイプです。
ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)の詳細はこちらです。→アダルトチルドレン:ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)とは?
毒親タイプ:過干渉型を克服するには?
この記事を読まれている方は、過干渉をされたくない子どもさんと、過干渉をしたくない親御さんだと思います。
初めに過干渉をしたくない親御さんの気を付けるポイント、次に過干渉をされたくない子どもさんの気を付けるポイントをお伝えします。
過干渉型の親御さんが気を付けるポイント
過干渉型の親御さんが、子どもへの世代間連鎖をしないように気を付ける点は次のようなことです。
- 子どもの意見・意思・感情を尊重しましょう。
- 何かをさせるときは自分で選ばせましょう。
- 先回りしないで、失敗や挫折も経験させて挑戦を褒めましょう。
- 結果ではなく、過程を褒めましょう。
- 結果より過程より「存在」を褒めるともっといいです。
- 条件なしで愛しているというメッセージを与えましょう。
それでも、自分が親から「世代間連鎖の影響をもらっているな」と思われる方はカウンセリングをお受けください。
知らず知らずのうちに、「やりたくないのに子どもに押し付けている」と気づいたら、自分を変えるチャンスです。
子育てものびのびやりながら、子どもを幸せにすることが出来ますよ。
過干渉を受けている子どもさんの気を付けるポイント
毒親の影響を避けたいのなら、物理的にも心理的にも離れるのが一番です。
過干渉型の毒親は、話がなかなか通じないという傾向があります。
なぜそうだとわかるのか?
そもそも相手の気持ちを考える親であれば、過干渉をするということはあり得ないのです。
もちろん、幼少期にはあったとしても、成長に合わせて子どもを尊重するようになるのが、一般的な親です。
ずっと過干渉が続いているという場合は、あなたの気持ちを優先していないということなのです。
カウンセリングや講座を受ける
過干渉する親御さんもされた子供さんも、影響をなくしたい場合はカウンセリングが必要です。
過干渉は毒親のパターンを受け継いでいることや、逆に「してもらいたかったから」子どもにしてあげるという場合もあります。
いずれにしても、あなたの過去の環境の経験が影響しているパターンです。
これらは、無意識に刷り込まれ、衝動的におこなってしまうために、同じことを繰り返しがちです。
NLPでは、これらのパターンを無意識レベルで癒していきます。
比較的に短期間で楽に生きやすくなりますよ。
毒親育ちの生きづらさを変える方法
毒親育ちを克服するには、潜在意識がもっている過去の経験のつらい記憶を癒していくことが近道です。
そうすると、今まで囚われていたパターンから抜け出します。
もし、毒親育ちも人生もまるっと改善したいなら、どうぞ↓をご覧くださいね。